11月28日、総務省は新総合経済対策の定額給付金について、都道府県と政令指定都市を対象に説明会を開き、「定額給付金事業の概要(たたき台)」を公表しました。
 それによると、所得制限は設けず「所得を基準とする給付の差異を設けないことを基本とする」と明記し、支給は口座振り込みにすることを基本に、年度内(平成21年3月末日)の給付開始をめざすとしています。
参考写真 支給額は1人1万2000円で、65歳以上と18歳以下は1人2万円。
 支給方法は、1.郵送申請方式、2.窓口申請方式、3.窓口現金受領方式の3方法を示しました。市町村が世帯主に申請書を郵送し、世帯主は申請書を市町村に郵送するか窓口に持参して、市町村が口座に振り込む方式が望ましいとしました。また、世帯主が申請書を窓口に持参して現金を受け取る方式も示し、市町村はこれらを組み合わせて実施するが、現金の受け渡しは振り込みが難しい場合に限ることが望ましいとしています。
 市町村の判断で所得制限をする場合については、事前の所得制限は無理と判断し、10年5月ごろに09年の所得を確認し、基準を超えていれば返還を求める方式を示しました。基準は年間所得1800万円を下限に各市町村が定めます。所得制限をしない場合でも、「市町村は一定の考え方により、受給の辞退を呼びかけることができる」としました。
 外国人については、永住外国人や日本人の配偶者、定住者などは、支給の対象となります。
 今後の検討の課題としては、申請期限を「受け付け開始日から3カ月以内または6カ月以内」のいずれにするか、長期出張者など郵送も窓口申請も難しい人にどう支給するか、年齢算定の基準日は1月1日か2月1日か、などとしました。
 今回の「定額給付金事業の概要(たたき台)」の公表で、定額給付金の「地方への丸投げ批判」は根拠のないことが明確になってきました。私ども地方議員は、その円滑な支給のため万全な準備を行政当局に求めていきたいと思います。
参考写真

定額給付金 所得制限なしが基本
公明新聞(2008年11月29日)
郵送申請で口座振込み
準備が整い次第 開始日は自治体が決定
総務省が実施概要を提示

 政府・与党が決めた新たな経済対策(生活対策)の柱となる総額2兆円の定額給付金について総務省は28日、都内で都道府県や政令指定都市を対象に説明会を行い、事業の概要に関する「たたき台」を提示した。今後、地方自治体からの意見も集め、事業の詳細を詰めていく。
 総務省が示した概要では、定額給付金の目的を景気後退下での住民不安に対処するための生活支援、広く給付することでの地域の経済対策と規定。事業の実施主体は市区町村とし、世帯主が受給権者になる。
 給付対象になるのは住民基本台帳に記録されている人と、外国人登録原票に登録されている人のうち、永住外国人や日本人の配偶者など。就労目的や留学などの外国人を加えるかは検討課題とした。
 所得の高い人の取り扱いについては「給付の差異を設けない」ことを基本とし、市区町村が給付制限を設ける場合は、下限1800万円を基準として該当者に辞退を呼び掛けることを可能とした。
 給付額は一人につき1万2000円。全国統一の基準日(2009年1月1日か、同2月1日で検討中)をもとに、65歳以上と18歳以下については一人につき2万円となる。
 給付金の申請方法については、(1)郵送申請方式(2)窓口申請方式(3)窓口現金受領方式の3パターンを提示。円滑に事務作業を進める観点から、市区町村は(1)の郵送申請方式を中心に、必要に応じて(2)(3)の方式も組み合わせて作業を進める。
 住民は、世帯主宛に郵送された申請書に本人確認書類の写しと振込口座が分かる通帳の写しなどを添付し、市区町村に返送。市区町村は交付要件を確認した上で、給付金を口座に振り込む。直接、本人確認が必要な場合は(2)の窓口申請で対応。諸事情により振り込みによる給付ができない場合には(3)の窓口で直接、現金を受け取る。
 給付開始日について、総務省は「準備が整い次第、市区町村で決定する」と説明。その上で、少しでも早く「国民に安心を届ける」ために今年度内の給付開始に協力を求めた。
 質疑の中で、自治体からは「定額給付金のバラマキ批判があるが、効果のある対策にできるかはわれわれの行政努力にもかかっている。われわれは有効に使いたい」との意見が出たほか、商品券方式での実施を求める意見があった。総務省は自治体の対応が異なると転居時に不都合が出ることなどを説明。事業実施にかかる自治体の事務費は、国が補助する方針も示した。

総務省が地方自治体に配布した「定額給付金事業の概要」(たたき台)