給付金分離、民主が提案へ 2次補正修正を通常国会に
朝日新聞(2008年12月23日)
 民主党は23日、政府が年明けの通常国会に提出する第2次補正予算案と関連法案から定額給付金を切り離す修正案を、衆院に提出する方針を固めた。特別会計などの「埋蔵金」から2兆円を使う定額給付金に攻防の焦点を絞り、給付金に批判的な自民党議員に「踏み絵」を迫る構えだ。
 民主党の菅直人代表代行は23日、東京都町田市での街頭演説で定額給付金を「毒まんじゅう」と批判。「(通常国会召集の)1月5日までに毒まんじゅうを分離する予算修正案を用意し、国会に出したい。毒まんじゅう分離法案を与野党で通して雇用対策などを実行し、解散して国民の信を問うべきだ」と語った。
 菅氏は通常国会の衆院予算委員会で、民主党側の筆頭理事を務める。定額給付金切り離しを中心に修正案の準備を進めており、野党各党と調整して提出する方針だ。埋蔵金を使うための関連法案についても、定額給付金に絡む部分のみを切り離した修正案の提出を検討している。
 菅氏らは修正案提出で、自民党を巻き込んだ多数派工作を模索する構えだ。衆院で修正案が与党に否決されても、政府提出の関連法案を野党多数の参院で否決すれば、与党は衆院「3分の2」で再可決する必要に迫られる。自民党内の給付金批判派を揺さぶって亀裂を誘い、再可決阻止の可能性を広げる狙いがある。

 23日、毎日新聞の報道によると民主党の岡田克也副代表は、鹿児島県曽於市で講演して、「(定額給付金は)アルコール中毒で悩んでいる人の前にビールを置いたり、糖尿病患者の目の前にまんじゅうを置いたりするようなものだ。病が深くなるだけで何の意味もない」と発言。定額給付金を毒まんじゅうなどに例え、厳しく批判しました。未曾有の経済危機の中で辛吟する国民をアルコール中毒や糖尿病の患者に例える、その政治的感覚のなさに呆れてものが言えません。
 民主党は国民の生活苦を無視し、補正予算を政局の具にしようとしています。1月5日からはじまる通常国会でも、代表質問に立たないというウルトラCの暴挙に出る可能性も示唆されています。
 そして狙ってくるのは、定額給付金を補正予算から分離させることでしょう。一部マスコミは、こうした民主党の解散総選挙へのシナリオを「国民の緊急事態に合意できることから早期に同意すべきである」との論調で、支持する向きもあります。これこそ民主党の思う壺、与党の分断により政局を有利に進めようとする戦略です。
 こうした民主党の党離党略を打ち破るために必要なこと。それは自民党自体が一枚岩で国会運営にあたることです。その意味では、自民党国会議員への“踏み絵”との表現は正しいかもしれません。