小沢氏おひざ元・奥州で波乱 給付金撤回意見否決
河北新報社(2009/1/28)
岩手県奥州市議会は27日の臨時会で、国の第二次補正予算に盛り込まれている定額給付金の撤回を求める意見書を反対多数で否決した。小沢一郎民主党代表の地元で、同党系議員が大半を占めるものの、賛成者は半数に届かなかった。
意見書は一部の民主党系議員が賛同者に名前を連ね、共産党議員が提出した。「所得制限をめぐり方針が二転三転し、支給方法も市町村に丸投げしている」などと政府を批判する内容だった。
採決は賛成14、反対19。賛成者の内訳は共産5人、民主党系ら9人。市議会には自民党系議員がおらず、「可決される」(共産党議員)との見方も出たが、残りの民主党議員が公明党議員とともに反対した。
反対に回った民主党系議員は党本部と異なる対応となったことに「趣旨には賛成だが、市議会レベルの意見書提出に疑問を感じた」と複雑な表情で話した。
1月27日、民主党小沢一郎党首のおひざ元、岩手県奥州市議会(旧水沢市)で、臨時議会が行われ、共産党提出の「定額給付金の撤回を求める意見書」が反対多数で否決されました。
奥州市議会の構成は、公明党1名、共産党5名、無所属32(ほぼ民主系)、自民党籍の議員は一人もいません。 通常ならば、定額給付金を撤回する意見書が可決される可能性が高かったわけですが、公明党の唯一の女性議員は、独自に行ったアンケート調査の結果をもって、自治体レベルでの意見書採択に反対するよう他会派の議員を説得したそうです。
奥州市の公明党が行った定額給付金に関するアンケートには、1月25日現在で1200件の回答が寄せられています。「あなたは定額給付金を受け取りますか」との問いには、「はい」との回答が1182人に達し、「いいえ」との回答は18人にとどまりました。実に98.5%が定額給付金を受け取るとの結果になりました。さらに、「あなたは定額給付金を生活支援策として評価しますか」との質問には、「評価する」が611人(50.9%)、「どちらかといえば評価する」202人(16.8%)、「どちらともいえない」220人(18.3%)、「どちらかといえば評価できない」122人(10.2%)、「評価できない」133人(11.0%)となり、全体の67.8%が肯定的な評価を下さいました。
このアンケートは、政党が行った調査であり、その客観性は乏しいとの指摘もあるとは思いますが、支給を待ち望む地域住民の声を素直に反映した結果となったと理解できます。
民主党系の市議会議員が、定額給付金への党の対応とは別に、「(定額給付金撤廃の)趣旨には賛成だが、市議会レベルの意見書提出に疑問を感じた」との判断には、敬意を表したいと思います。市民の定額給付金が実行されれば、受け取るというその素直な気持ちを、地方議員は最大限に尊重する必要があると思うからです。
民主党の国会議員も、この国民の感情を理解してもらいたいと切望します。