1月30日、東京ガスは「2009年度〜2013年度グループ中期経営計画」を公表しました。その中で、茨城港日立港区に、液化天然ガス(LNG)の備蓄基地を建設し、栃木県真岡市との間にパイプラインを敷設することが盛り込まれました。
 東京ガスは、ロシア・サハリン沖の原油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からLNGを調達する長期契約を結んでおり、2007年末から日立港区で地質調査を行い、LNG基地の建設が可能との結論を得ていました。中期計画のプレスリリースには、「中長期的に総合エネルギー事業を発展させて、天然ガスに対する社会やお客さまからの期待・ニーズにお応えしていくとともに、さらなる安定供給基盤の強化に向け、茨城港日立港区におけるLNG基地、および既存ネットワークと接続するパイプラインの建設を計画し、実現に向けた検討を進めていきます」と記載されており、「日立基地+日立〜真岡ライン:2017年度目途」と明示されました。
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井手よしひろ県議らの誘致活動が実る
 こうした流れを先取りして、井手よしひろ県議は、昨年9月の県議会代表質問で、LNG基地の誘致を前提とした港湾振興計画の見直しを提案しました。茨城県は、県は茨城港としての新たな港湾計画を今年度中に作成し、日立港区に関する計画にはLNG基地の建設可能用地を確保して、国などの認定を受ける準備を進めています。
 また、港湾計画の改定の中で日立港区は、メルセデスベンツの完成車の輸入港としての機能を拡充させ、さらに国内完成車の移出入港としても整備する方針を明確にします。
 昨年12月には北関東自動車道の茨城県と栃木県を結ぶ区間が全通し、常磐自動車道と東北自動車道が結ばれました。茨城空港も来春3月にの開港する予定です。日立港にLNG備蓄基地が整備され、真岡までのパイプラインが整備されると、茨城県への企業進出に大きな弾みがつくことが期待されます。
 世界的な経済危機の中で、計画の進捗には紆余曲折が見込まれますが、将来への明るい展望が見えた気がします。
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