参考写真 1月19日、茨城県は一般会計の総額が1兆765億9400万円余りとなる平成21年度の当初予算案を、県議会各会派に内示しました。
 これは、昨年比1.9%増の予算ですが、住宅供給公社と土地開発公社の損失補償対策(138億円)や開発公社対策と国営土地改良事業地元負担金の繰り上げ償還(71億円)などを差し引いた実質的な予算額は、昨年度比マイナス0.1%と、8年連続のマイナス予算編成となりました。
 県の収入に当たる歳入は、景気の急激な悪化に伴う法人2税の落ち込みから、県税収入が今年度当初よりも688億円、率にして16.4%減るなど深刻な財源不足に陥っています。
 このため県は借金にあたる県債を804億分発行したり、基金を20億円取り崩したりして不足する財源を補うことにしています。また、来年度は国の地方交付税が465億円増額されたため、何とか予算編成が出来たというのが現実です。
 歳出面では、中小企業に低金利で融資する制度を拡大し508億円を盛り込んだほか、市町村が実施する失業対策への助成金として11億6000万円を計上するなど景気・雇用対策に重点を置いた内容になっています。
 さらに、原子力安全等推進基金を財源として、県立中央病院に救急センターを整備することや、日製日立総合病院に院内助産所を設置することに補助を行うなど、救急医療や産科医療に重点的に予算を配分しました。
(写真は、公明党会派への予算内示会の模様)
 井手よしひろ県議が強く要望し、新年度予算で実現した事業は以下の通りです。
【中小企業の金融支援の充実】
 中小企業への金融支援策では、450億円のセーフティネット融資枠を確保しました。県は、国の第1次補正を受けて緊急保証枠を160億円設定しました。急激な経営環境の悪化から、今年3月までの緊急保証の実績は、その枠を大きく上回る460億円程度にふくれあがる見込みです。県は、3月最終補正予算で保証枠を上回った部分を増額補正する予定です。さらに、新年度当初分として370億円を設定し、合計830億円の融資枠が創設されてことになります。経済状況によっては、さらに潤沢な資金の確保を行う予定です。
【雇用対策】
 離転職者の早期再雇用を図るために、職業訓練の充実を図りました(H20年度:7コース・120名→H21年度:54コース・1070名)。緊急相談窓口の拡充。雇用確保のためのワンストップ相談窓口の整備。市町村緊急雇用創出事業など。
【技能五輪全国大会・アビリンピック全国大会の実施】
 日立市を中心に10月23日〜26日(4日間)行われる「技能五輪全国大会」、それに続いて開催される「アビリンピック全国大会」(10月30日〜11月1日(3日間))について、2億8500万円の予算が計上されました。技能五輪には1000名、アビリンピックには300名の選手が全国から集い、日頃の訓練の成果を競います。
【少子化対策】
 妊婦健康診査を現行の5回まで無料から、14回まで無料化するための助成制度の創設(約9億円)。民間保育所や認定こども園、保育ママなどの整備の対する助成制度の創設(11億3400万円)
【救急医療・産婦人科医療対策】
 県立中央病院に「救急センター」設置(17億8000万円)。妊産婦救急搬送の受け入れ体制を充実させるためにコーディネーターを配置する(6600万円)。救急医療情報システムへの各病院の情報入力支援事業(1億1500万円)。日製日立総合病院への院内助産所設置補助(800万円)。
【防災・新型インフルエンザ対策】
 防災ヘリコプターの更新(9億9900万円)。新型インフルエンザのパンデミック対策として、抗インフルエンザウィルス薬を34万人分備蓄(3億1300万円)。
【エコ農業の推進】
 エコ農業を行う農家への戸別補償を実現(3億5600万円)。
【学力向上対策】
 非常勤講師の配置や全小学校で夏休み学びの広場の開設などにより、学力向上を図る(2億6100万円)。