経済状況の変化に対応
雇用安全網さらに充実、環境で新たな需要創出

参考写真 3月31日、公明党の「新・経済対策検討本部」の作業部会は、経済状況の変化に対応する新たな経済対策の中間報告を取りまとめました。今後、自民党と協議して与党案を取りまとめた上で、政府・与党として経済対策の策定、平成21年度補正予算への具体化を目指します。
 中間報告の柱は、(1)社会保障の安心確保(2)雇用対策の拡充(3)未来をひらくニッポン再構築(需要創出)の3点です。
 社会保障対策としては、70歳未満の医療費自己負担限度額を見直すほか、低所得世帯への基礎年金加算制度の創設、現行25年の受給資格期間の短縮などを盛り込みました。
 また、救急医療体制の充実や医療人材確保を目的に「地域医療再生基金」(仮称)を設立。さらに、介護・福祉従事者の人材の確保へ、処遇改善計画を作成・実施する事業者を支援するとしています。
 また、就学前3年間を対象に、年3万6000円の「子どもと家族応援手当」を創設。経済的に困窮する高校生などのための「児童・生徒支援基金」(仮称)も提案しています。
 雇用対策の拡充としては、雇用調整助成金申請時の休業計画届け出の柔軟化など手続きの簡素化・迅速化、つなぎ資金の提供。雇用保険の対象にならない失業者に生活支援と職業訓練を一体的に提供する「訓練・生活支援給付」の創設も打ち出しました。
 「未来をひらくニッポン再構築」としては、公共施設への太陽光発電装置設置の促進やエコカー購入促進、エコポイント制度の本格化、住宅のエコ改修支援など、「環境」を切り口とした需要創出策を提唱。食料自給率向上のための、新規需要米の生産支援などを実施します。
 また、公共事業を前倒しし、学校や公共施設の耐震化や駅のバリアフリー化などに重点的に取り組むことにしています。さらに、大型プロジェクトについても、例えば大都市環状道路や国際ハブ空港、スーパー中枢港湾、羽田モノレールの東京駅延伸など、必要性の高い事業から優先的に進めることを提唱しています。同時に、国が行う公共投資に伴う地方負担の軽減策も実施するとしています。
 地方議員の立場からすると、特に、救急医療体制の充実や医療人材確保を目的に「地域医療再生基金」(仮称)や経済的に困窮する高校生などのための「児童・生徒支援基金」(仮称)の創設は、まさに喫緊の課題であり、その実現を強く求めるものです。
公明党の新経済対策案中間報告の骨子
社会保障の安心確保
    • 70歳未満の医療費の窓口負担軽減
    • 救急医療充実や人材確保を目的に「地域医療 再生基金」の設立
    • 介護・福祉従事者の処遇改善と人材の確保
    • 就学前3年間を対象とする年3万6000円の「子どもと家族応援手当」創設
    雇用対策の拡充
    • 雇用調整助成金の手続き簡素化や支給限度日数の引き上げなど
    • 雇用保険の対象外失業者への「訓練・生活支援給付」創設
    未来をひらくニッポン再構築
    • 公共施設の太陽光発電装置設置の促進
    • エコカー購入促進やエコポイント制度の本格化
    • 学校や公共施設の耐震化や駅のバリアフリー化、大型公共事業の前倒し実施
    • 公共投資実施に伴う地方負担軽減策