公明党の強い要望で実現、画期的な11疾病一括指定
4月10日、政府与党が決定した「新経済危機対策」に、公明党が強く主張した難病患者の医療費負担の軽減が盛り込まれました。患者団体などから要望が強かった11疾患と検討中の数疾患を新たに医療費助成の対象に追加することができました。
国の難病対策には2つの研究事業があります。
一つは「難治性疾患克服研究事業」で、多くの難治性疾患の中から、希少性(患者数5万人未満)・原因不明・治療方法未確立・生活面への長期の支障という4条件を満たす疾患を選定し、それらの疾患の原因解明・治療方法の研究を進めるもので、現在123疾患が指定されています。
もう一つは、「特定疾患治療研究事業」で、「難治性疾患克服研究事業」の疾患の中から、さらに治療が極めて困難であり、かつ医療費も高額である疾患を選定し、医療の確立・普及を図るとともに、患者の医療費の負担軽減(自己負担額の全部または一部を補助)を図るもので、現在45疾患が指定されています。
今回の「経済危機対策」では、公明党の強い主張により、患者団体などから要望が強かった以下の11疾患と検討中の数疾患を「特定疾患治療研究事業」に追加し、医療費助成の対象に入れることになりました。
今後は、新経済危機対策を盛り込んだ平成21年度補正予算案を今国会で成立させ、厚生労働省の特定疾患対策懇談会での審査を経て、最終決定されることになります。
一方、いくつかの課題もあります。「特定疾患治療研究事業」は、都道府県が実施主体であり、公費負担割合は国:都道府県で5:5となっています。しかし、実際には国の予算不足から、都道府県の負担が10分の7と大きくなっている現状があります。今回の「新経済危機対策」では、自治体の事業に幅広く使える「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」(1兆円)が盛り込まれております。この交付金を活用して、「特定疾患治療研究事業」の追加指定で増える都道府県の負担分などへの予算措置を早急に行うことが必要です。
さらに、今回の財源は補正予算であり単年度措置であることから、来年度以降の恒久財源と地方交付税等の確保を図ることが必要となってきます。
井手よしひろ県議が、4月13日、県保健予防課にヒアリングした内容によると、今回の指定で難病指定対象者数は25%程度の増となり、県の負担も3億円から4億円程度増えることになります。厚労省では、難病体策と高額医療制度をリンクすることを検討しており、地方の負担がどのようになるか、注目をしていく必要があります。
いずれにせよ、患者・家族の視点からすれば、今回の指定拡大は喜ぶべきことです。追加経済対策として公明党から提案した難病患者の医療費負担の軽減が契機となって、これまでに例のない11疾患プラス数疾患を一気に追加指定するという画期的な難病対策が実現しようとしています。この上は、一刻も早い補正予算の具体化、早期成立が待ち望まれます。
4月10日、政府与党が決定した「新経済危機対策」に、公明党が強く主張した難病患者の医療費負担の軽減が盛り込まれました。患者団体などから要望が強かった11疾患と検討中の数疾患を新たに医療費助成の対象に追加することができました。
国の難病対策には2つの研究事業があります。
一つは「難治性疾患克服研究事業」で、多くの難治性疾患の中から、希少性(患者数5万人未満)・原因不明・治療方法未確立・生活面への長期の支障という4条件を満たす疾患を選定し、それらの疾患の原因解明・治療方法の研究を進めるもので、現在123疾患が指定されています。
もう一つは、「特定疾患治療研究事業」で、「難治性疾患克服研究事業」の疾患の中から、さらに治療が極めて困難であり、かつ医療費も高額である疾患を選定し、医療の確立・普及を図るとともに、患者の医療費の負担軽減(自己負担額の全部または一部を補助)を図るもので、現在45疾患が指定されています。
今回の「経済危機対策」では、公明党の強い主張により、患者団体などから要望が強かった以下の11疾患と検討中の数疾患を「特定疾患治療研究事業」に追加し、医療費助成の対象に入れることになりました。
特定疾患治療研究事業に追加される11疾患
1.黄色靭帯骨化症
2.拘束型心筋症
3.肥大型心筋症
4.肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
5.ミトコンドリア病
6.脊髄性進行性筋委縮症
7.球脊髄性筋委縮症
8.スティーブンスジョンソン症候群の一部
9.間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症・ゴナドトロピン分泌異常症・ADH分泌異常症・下垂体機能低下症・クッシング病・先端巨大症・)
10.慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)
11.家族性高コレステロール血症
※その他、数疾患の追加を予定(検討中)
2.拘束型心筋症
3.肥大型心筋症
4.肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
5.ミトコンドリア病
6.脊髄性進行性筋委縮症
7.球脊髄性筋委縮症
8.スティーブンスジョンソン症候群の一部
9.間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症・ゴナドトロピン分泌異常症・ADH分泌異常症・下垂体機能低下症・クッシング病・先端巨大症・)
10.慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)
11.家族性高コレステロール血症
※その他、数疾患の追加を予定(検討中)
今後は、新経済危機対策を盛り込んだ平成21年度補正予算案を今国会で成立させ、厚生労働省の特定疾患対策懇談会での審査を経て、最終決定されることになります。
一方、いくつかの課題もあります。「特定疾患治療研究事業」は、都道府県が実施主体であり、公費負担割合は国:都道府県で5:5となっています。しかし、実際には国の予算不足から、都道府県の負担が10分の7と大きくなっている現状があります。今回の「新経済危機対策」では、自治体の事業に幅広く使える「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」(1兆円)が盛り込まれております。この交付金を活用して、「特定疾患治療研究事業」の追加指定で増える都道府県の負担分などへの予算措置を早急に行うことが必要です。
さらに、今回の財源は補正予算であり単年度措置であることから、来年度以降の恒久財源と地方交付税等の確保を図ることが必要となってきます。
井手よしひろ県議が、4月13日、県保健予防課にヒアリングした内容によると、今回の指定で難病指定対象者数は25%程度の増となり、県の負担も3億円から4億円程度増えることになります。厚労省では、難病体策と高額医療制度をリンクすることを検討しており、地方の負担がどのようになるか、注目をしていく必要があります。
いずれにせよ、患者・家族の視点からすれば、今回の指定拡大は喜ぶべきことです。追加経済対策として公明党から提案した難病患者の医療費負担の軽減が契機となって、これまでに例のない11疾患プラス数疾患を一気に追加指定するという画期的な難病対策が実現しようとしています。この上は、一刻も早い補正予算の具体化、早期成立が待ち望まれます。
特定疾患治療研究事業の追加指定について(声明)
2009年4月10日
日本難病・疾病団体協議会(JPA)
代表 伊藤たてお
政府・与党は10日、深刻な景気後退に対応する新経済対策およびその裏付けとして、総額15兆円を超える2009年度補正予算案を決定しました。この新経済対策のなかで、多くの患者団体の要望であった特定疾患治療研究事業の対象疾患を、これまでの45疾患から大幅に増やす内容が盛り込まれました。
具体的には、これまで多くの患者団体から医療費の助成制度の要望が出されているなかから、2008年度までに難治性疾患克服研究事業に指定された123疾患(2009年度から130疾患)のうち、患者団体等から特定疾患治療研究事業への追加指定を望む声があがっていた疾患11疾患(さらに6疾患を検討)を、一気に追加するという内容で、実現すれば2009年度予算における難治性疾患克服研究事業の予算4倍化に続く画期的な出来事となります。
今回の提案は、私たちの粘り強い運動、とくに2年前からJPA を中心に活動してきた「今後の難病対策」勉強会、難病・長期慢性疾患・小児慢性疾患「患者・家族の声を」全国大行動、難病対策の充実を求める緊急集会・要請行動、「難病対策・特定疾患対策の新たな展開を考える(伊藤私案)」(4月より「新たな難病対策・特定疾患対策を提案する」と整理)を各政党や厚生労働省など関係各方面に発表してきたことなどの反映であると思います。
この与党合意が実現すれば、対象疾患の追加指定により医療費の負担に苦しむ多くの患者の苦しみが軽減されるばかりか、今後の難病対策への大きな希望につながるものです。
同時に、この対策は未曾有といわれる経済不況に対応する緊急経済支援対策のなかで補正予算による裏付けを伴う施策として与党から提案されたものであるだけに、実現のためには、特定疾患対策懇談会での合意や地方自治体の負担をどうするのかなど今後解決すべき課題もあります。なによりも今国会での補正予算の成立が大前提となるだけに、実現に必要な予算確保にむけて、国会での与野党の努力がすみやかに行われることを望みます。
今回追加するとされている11疾患(プラス6疾患)は、厚生労働省に患者団体等からこれまでに要望がだされている疾患名をあげたものの一部であり、要望書も出せず苦しむ患者は数多く存在していること、さらに小児慢性特定疾患対象患者の20 歳以後(いわゆるキャリーオーバー)の負担軽減策もあわせて考えるならば、現在の難病対策(特定疾患対策として「治療研究事業」の枠組みで医療費助成を行うしくみ)では到底解決しえないことはあきらかです。今回の追加指定を緊急対策として全面的に歓迎するとともに、さらに、私たちが求めている、難病や生涯にわたる治療を必要とする患者が病気になった時にも医療費の心配をすることなく安心して医療にかかることができるようにするための、医療保険制度の改善による抜本的な見直しとそのための基本法の制定に向けて、患者代表も含めた検討会を早急に立ち上げることを強く要望するものです。