総額15兆円超の新経済対策について公明党の山口那津夫政調会長が解説します。

 4月27日に提出予定の2009年度補正予算案に、公明党の新しい経済対策が大きく盛り込まれることになりました。
 これまでに実施してきた経済対策も実行され、定額給付金や子育て応援特別手当も支給開始。高速道路料金も大幅に引き下げられ、地方の高速道路は1000円で乗り放題になりました。
 一方、深刻な雇用情勢の中、解雇を防ぎ、休業手当などを助成する雇用調整助成金を強化。2月には3万社、187万人もの人が同制度を利用しました。特に中小企業の場合は休業手当などの9割まで助成できるよう拡充。また金融対策として、信用保証とセーフティネット貸付の枠を合計30兆円まで広げ、約45万社を倒産から守りました。
 公明党は厳しい経済状況の中、セーフティーネット(安全網)をさらに張り巡らせることが第一の課題と考えています。
 具体的には失業手当のない人に対して、職業訓練中の生活費(月額10万〜12万円)を給付します。また中小企業の資金繰り対策として、緊急保証制度の保証枠を10兆円拡大。セーフティネット貸付の貸付枠も5.4兆円拡充しました。
 さらに高齢社会に向けて、介護の現場にも安心感が必要です。これまでも介護報酬の3%アップで現場で働く方の給与水準を上げるよう努めてきました。さらに1万5000円の給与アップを進めます。併せて介護施設の整備に対する支援策も用意しました。
 日本の産業が国際的に競争できる分野を支援する仕組みも大切です。キーワードは「エコ」です。
 自動車や住宅、電機の各産業は、裾野の広い分野です。自動車産業には、エコカーに助成金を出す仕組みをつくります。すでに4月1日から減税が実行されていますが、減税と合わせて最大で40万円ほどの助成が可能に。
 住宅産業では太陽光パネルの普及・拡大を推進。国は太陽光パネル設置に助成金を出すことを決め、減税も整えました。電力会社が家庭の太陽光発電を買い取る場合の価格も2倍にします。
 家電産業では省エネ効果の高い製品の購入や買い替えに、「エコポイント」を差し上げます。2011年の地デジ移行に向け、デジタルテレビの購入にはポイントを2倍にします。エコポイントはお金に換算でき、新しいエコ商品も買えます。
 これら裾野の広い産業分野で雇用を生み出すとともに、公明党は「スクール・ニューディール政策」を推進します。耐震化の促進と同時に、太陽光パネルやエアコンなどの設置を進めます。
 農業でも農地法を改正し、農地の活用を促します。農地の集約化も進め担い手を増やし、休耕地をなくすことで農業の競争力を増し、“世界と勝負できる農業”へと支援を強化します。
 女性特有のがんの検診率を高めるため、子宮頸がんの場合は20〜40歳まで、乳がんは40〜60歳まで5年刻みで、検診のための手帳と無料クーポンを発行します。
 また、子育て応援特別手当を第1子からに拡大。就学前3年間の子どもに09年度も年3万6000円を支給します。これは将来の幼児教育の無償化を実現する第一歩となるものです。さらに高校生や大学生がきちんと学校に通えるよう、奨学金などの支援策も拡充しました。