基金創設し私立高校の授業料減免
参考写真 経済状況の急激な悪化に伴い、修学が困難になる高校生・大学生の増加が予測されるため、2009年度補正予算案には、高校生の授業料減免や奨学金の拡充などを柱とする教育費負担への緊急支援として646億円を計上しています。
 文部科学省によると、「昨年秋以降の経済・景気低迷により、経済的理由による奨学金や授業料減免の申請数が増えると予想される」という。そこで緊急支援では、(1)高校生の授業料減免(2)大学が実施する経済支援への無利子融資の創設(3)奨学金事業の拡充――などを実施し、授業料の滞納や学業の継続が困難となる高校生や大学生を支援することにしています。
 このうち、高校生の授業料減免については、都道府県に基金を設置し、授業料減免補助や奨学金事業の今後の増加分(3年分)を支援します。補正予算案には486億円が盛り込まれました。
 また、110億円を財源として私立学校振興・共済事業団の無利子融資を創設。授業料減免や奨学金などを行う私立大学や小規模の学校法人への支援を実施します。
緊急採用奨学金の貸与枠を倍増
 一方、親の失職や病気、事故などで家計が急変した場合に緊急で申し込める「緊急採用奨学金」(無利子)の貸与人数を、現在の約4000人から約8000人に倍増。補正予算案には15億円を盛り込みました。さらに、奨学金の返還困難者については、10万人まで猶予可能になるよう対応します。
 そのほか、就職の採用内定取り消しを受けた学生が3月現在で1155人に上るなど、学生を取り巻く雇用情勢が深刻化していることから、補正予算案では13億円を計上し、休業期間中の大学の相談体制を充実させます。
 公明党は、経済的理由で授業料が納められず中退を余儀なくされる学生などを守るため、緊急支援の必要性を一貫して主張。昨年12月には浜四津敏子代表代行と文部科学部会(池坊保子部会長)が鳩山邦夫総務相に高校生の授業料減免などを要請。さらに国会の委員会質疑などでもこの問題を再三取り上げ、支援拡充を推進してきました。
茨城県では私立高校授業料滞納者が33%増
 5月21日、井手よしひろ県議は県私学振興室より、県内私立高校の授業料滞納の状況を聴き取り調査しました。
 それによると、今年3月末現在の滞納者数は184名で、全生徒数に対する比率が0.93%に達していることが分かりました。これは前年比で33%増で、経済危機が深刻な影響を与えていることが、はっきりとしています。
 こうした高校生への経済的支援策を一刻も早く実施することが、政治の役割であると実感しました。
 平成19年度末平成20年度末割合
私立高校生徒数20,29319,86698%
授業料滞納数138184133%
滞納率0.68%0.93%136%