6月15日、茨城県議会保健福祉委員会は、新型インフルエンザ対策に関する参考人からの意見聴取を行いました。
午前中の聴取は、国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦(おかべ・のぶひこ)医師より「新型インフルエンザ(ブタ由来)感染の現状と今後の対策について」と題した報告を受けました。
岡部センター長は、「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎるのはやさしいが、正当にこわがることは、なかなかむつかしい」との、寺田寅彦が地震の時に書いた文章を紹介し、正しい対策や情報の提供が必要だと強調しまいた。
講演の後の意見交換では、井手よしひろ県議が以下の3点に渡って意見を求めました。
Q:小中高等学校の休校の考え方
A:国のガイドラインは休校、授業の縮小が書かれています。季節インフルエンザが学校を通して流行している現実や、兵庫県や大阪府の事例をみても、休校は蔓延拡大防止に効果があります。教育の場は、健康を守る場でもあるわけですから。休校の範囲ですが、生徒が感染したからその都道府県のすべてを休校にというのは無理でしょう。ただ、学校内での感染が確認されれば、1校だけの休校では効果が少ないので、人口や学校分布を考慮して学校区での休校が必要と思います。また、期間は1週間程度は必要です。地域では、学校内での欠席者の情報を共有する仕組みが必要です。
Q:新型インフルエンザワクチンの接種に優先順位は
A:この冬に間に合うワクチン数は2000万本といわれています。通常であればこの数で十分間に合います。しかし、今回は希望者全員に行き渡るかどうか、まだはっきりしません。医療従事者やハイリスクな方に優先して接種すことも検討する必要があります。
Q:水際作戦から国内対策への切り替えが政治的判断で左右されていないか
A:私的な見解ですが、現在の何百人という規模の検疫官は、専門の検疫官ではなく、旧国立大学の医療機関から来てもらっているのが現状です。患者が急激に増えた時、各地の医療機関に影響が出る可能性も無視できません。水際での防疫は初期には有効ですが、あるタイミングでリソースを国内の医療現場に移した方がいいと思います。それは、きわめて政治的な判断を伴うことかもしれませんが、出来るだけ客観的な物差しで行うことが期待されます。
午後からは、株式会社ノルメカエイシア代表取締役千田良社長から「新型インフルエンザとBCP(事業継続計画)」と題した報告を聴取しました。ノルメカエイシア社は、日本で最初にコンシキエンスマネージメント(被害管理・結果管理)という概念を医療器材に提唱した企業で、ノルウェー医療機器会社ノルメカ社の日本法人です。自然災害、テロなどに対応する様々な医療関連機器の総合商社です。近年危険度がますます増大しているN(核)、B(生物)、C(化学)災害についても、欧米のシステムを研究し、最新の情報を提供しています。新型インフルエンザ対策について、いかにして行政や医療機関、企業などの活動を支障なく継続させるかという視点での意見を聴取しました。
意見交換で井手よしひろ県議は、新型インフルエンザ対策の中で「マスク」の有効性に対して見解を質しました。千田社長は、「日本と欧米との認識の差はあっても、マスクの有効性は絶対的なものです。大事なのは、その付け方など基本的な使用法をしっかりと教育することだと思います」と答えました。
参考:ノルメカエイシアのHP

岡部センター長は、「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎるのはやさしいが、正当にこわがることは、なかなかむつかしい」との、寺田寅彦が地震の時に書いた文章を紹介し、正しい対策や情報の提供が必要だと強調しまいた。
講演の後の意見交換では、井手よしひろ県議が以下の3点に渡って意見を求めました。
Q:小中高等学校の休校の考え方
A:国のガイドラインは休校、授業の縮小が書かれています。季節インフルエンザが学校を通して流行している現実や、兵庫県や大阪府の事例をみても、休校は蔓延拡大防止に効果があります。教育の場は、健康を守る場でもあるわけですから。休校の範囲ですが、生徒が感染したからその都道府県のすべてを休校にというのは無理でしょう。ただ、学校内での感染が確認されれば、1校だけの休校では効果が少ないので、人口や学校分布を考慮して学校区での休校が必要と思います。また、期間は1週間程度は必要です。地域では、学校内での欠席者の情報を共有する仕組みが必要です。
Q:新型インフルエンザワクチンの接種に優先順位は
A:この冬に間に合うワクチン数は2000万本といわれています。通常であればこの数で十分間に合います。しかし、今回は希望者全員に行き渡るかどうか、まだはっきりしません。医療従事者やハイリスクな方に優先して接種すことも検討する必要があります。
Q:水際作戦から国内対策への切り替えが政治的判断で左右されていないか
A:私的な見解ですが、現在の何百人という規模の検疫官は、専門の検疫官ではなく、旧国立大学の医療機関から来てもらっているのが現状です。患者が急激に増えた時、各地の医療機関に影響が出る可能性も無視できません。水際での防疫は初期には有効ですが、あるタイミングでリソースを国内の医療現場に移した方がいいと思います。それは、きわめて政治的な判断を伴うことかもしれませんが、出来るだけ客観的な物差しで行うことが期待されます。

意見交換で井手よしひろ県議は、新型インフルエンザ対策の中で「マスク」の有効性に対して見解を質しました。千田社長は、「日本と欧米との認識の差はあっても、マスクの有効性は絶対的なものです。大事なのは、その付け方など基本的な使用法をしっかりと教育することだと思います」と答えました。
