県内の公立小中学校の校舎や体育館の耐震化率が50.5%(4月1日現在)で、全国平均を大きく下回り全国45位であったことが文部科学省の調査で分かりました。震度6強の地震で倒壊の危険性がある施設は232棟と見込まれています。
 国は、スクールニューディール政策で、大幅に計画を前倒しし、耐震化を進める予算を組んでおり、41市町村が164校の298棟で耐震化を進める計画です。今年度末に耐震化率は60.5%まで改善される見通しです。
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 耐震化率には市町村によってばらつきがあり、龍ヶ崎市、五霞町で既に100%を達成しているほか、守谷市が95.2%とほぼ耐震化を終えています。最も低かったのは常総市の23.7%。日立市も26.8%と42位に低迷しています。
 耐震化が遅れている市町村多くは、昭和56年(1981年)以前の旧耐震基準で建てられた建物の割合が多く鳴っています。木造校舎から鉄筋校舎(永久校舎)への立て替えが早かった自治体が、結果的に耐震化に後れを取っている傾向があります。また、学校の統廃合を進めている市町村にとっては、統廃合前の改築や補強工事はなるべく避けたいという思いもあり、耐震化工事が遅れています。
 スクールニューディール政策による予算を活用すれば、工事にかける市町村負担は約13%から6%程度まで縮小される見込みです。今年度当初計画に加え、補正予算を利用して新たに39市町村が116校(212棟)で耐震化を進める計画を立てています。
 また、県立高校の耐震化率は、前年より5.2ポイント上昇し62.7%(全国平均67.8%)で全国25位です。特別支援学校は2.8ポイントアップの70.7%(82.8%)で37位でした。
小中「ズバッと」 みのさん苦言で耐震化率100%に
 大阪府高石市は6月9日、約40億円をかけて来年度までに公立小、中学校施設の耐震化率を100%にすると発表した。昨年、文部科学省の発表で高石市の小中学校の耐震化率は7.3%(全国平均62.3%)。全国の市の中で最も低く、テレビ番組でも取り上げられ、みのもんたさんに批判されていた。
 市によると昨年、施設55棟のうち、耐震化が終わっていたのは4棟。2015年度までに順次耐震化する予定だったが、テレビ発言や市民からの批判に阪口伸六市長が発奮。市の最重要課題に位置づけ、国の補助も含め今年度中に総事業費約40億4200万円を予算化することを決めた。
 高度経済成長期の人口急増で、市内10校の小中学校の施設の9割以上は耐震基準が強化された81年以前に建てられ、耐震化が遅れていた。
 みのさんは「みのもんたの発言は過激だと言われるが、素人の意見は大切だと思っている。ほえるのは、僕の役目。発言が良い結果を招いたのなら、うれしい」と話している。

 今回の国の政策を活用することで、今までとは全く違った枠組みで学校の耐震化ができるようになりました。この2年間で集中的に耐震化工事を行う決断を、市町村長は行うべきだと思います。高石市の例は、やれば出来るを証明した好例となりました。
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 全国の都道府県別耐震化率と、耐震診断の実施率、クリックすると大きなグラフにリンクしています。