参考写真 7月3日、井手よしひろ県議はたかさき進県議(公明党:水戸市選出)と共に、「富士山静岡空港」(静岡空港)を訪ね、静岡空港管理事務所森田諭所長、武田豊主幹から開港1カ月の現状を聴き取り調査すると共に、空港視察を視察しました。
 静岡空港は、総事業費約1900億円を投じて、静岡県が設置した地方空港です。昭和62年に空港用地が決定されて以来、計画より5年半遅れて、6月4日に開港に至りました。開港直前に空港に隣接する立木や土地の一部が、航空法に抵触することが発覚し、滑走路を一部短縮しての暫定開業となりました。
 静岡空港には札幌、福岡、那覇の3路線と海外2路線に加え、7月21日からは地元資本の「フジドリームエアラインズ」が小松、鹿児島便を運航することにしています。
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 森田所長からは、6月の搭乗率実績が国内線72.6%、国際線59.0%であったことが報告されました。「国内線では札幌、沖縄便が8割を超え好調であるのに対して、福岡便が59.6%とやや低迷していることが心配」と語られました。この福岡便は、運航しているJALに対して、静岡県が搭乗率保証をしている路線です。来年3月末での搭乗率の総計が70%を下回れば、県が1%ごとに約3800万円をJALに支払う仕組みになっています。仮に平均搭乗率が60%になると、約3億6000万円がJALに支払われることになります。森田所長は「7割達成は不可能ではないと思う。まだまだ、ビジネス客への浸透が遅れており、特に、福岡側での認知度を高める努力が必要ではないか」と話しました。
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 また、当初からある程度予想されてはいたこととしながら、「『濃霧』による視界不良で、6月中の5日間に17便が欠航、12便が着陸地を別空港に変更したことは、痛かった」と語りました。欠航便が多くなれば旅客の信用を失い、着陸地変更では旅客の電車代などを支払う必要も出て、航空会社の負担も多くなります。
 反面、静岡空港では滑走路短縮の影響で、着陸誘導装置の一部が使えない状態が続いていますが、8月27日に2500メートル滑走路が完全運用される予定となり、着陸する航空機に縦方向の進入角度を電波で示す計器着陸装置(ILS)の「グライドスロープ」(GS)が稼働できるようになるため、就航率の向上も期待できるとしました。
参考写真 搭乗率は予想を下回りましたが、予想に反して空港の見学客は"満員御礼"の状況が続いています。6月の空港入場者数は4万6770人で、このうち見学が3万6469人と78%を占めました。
 旅客ターミナルビル2階にある土産物店「エフ・エアー」には、平日で2000人、土曜・日曜日は3000人が訪れておみやげを購入しています。この店舗はいわゆるお土産品を売る店ではなく、静岡各地の名品を一堂に取り揃えた"アンテナショップ"的な品揃えになっており、県内の見学客も喜んでおみやげを購入すると説明を受けました。売り上げのベスト3は、ミルクあん菓子の「富士山静岡空港に行ってきました」、チョコレート菓子の「プレミアムエクセレントショコラ」、焼き菓子の「サザエさん カスタードカステラ焼」だそうであう。また、静岡県特産のクラウンメロンを使ったパンの郷(さと)のメロンパン「メロンアップ」も超人気で、平日で450個、日曜は1000個が、開店後15分から1時間ほどで完売しているとのことです。もちろん、3日の時点でもメロンアップの販売棚は「品切れ」のボードが掲げられていました。
 直接、空港内を案内してくださった武田主幹に、「現時点で静岡空港の一番の課題は?」と質問してみました。武田主幹は、「やはり2次交通手段の確保ではないでしょうか。空港に自動車で来てくださる方には、無料の駐車場が2000台分用意されていますので大変便利です。2週間以上の長期使用であっても、連絡していただければ対応できます。しかし、電車やバスでの方には、その便が確保できず、非常にご不便をお掛けしています。航空機は、到着時刻が変更されてしまうことがたまたまありますが、それに接続されるはず延ばすが、定期バスであるために発車してしまうなどのトラブルもあります。小型のリムジンバスやオンデマンドタクシーなど、2次交通手段を充実させることは重要だと考えています」と、説明していただきました。
 開港後間もない時期にもかかわらず、空港管理事務所の皆さまには大変お世話になりました。来春の茨城空港開港に向けて非常に参考となった視察調査でした。
参考:富士山静岡空港のHP