参考写真 7月12日投開票の東京都議選では、公明党は23議席全員当選という、逆風の中でも大勝利をすることができました。
 私の高校、大学時代の同窓生も候補として戦っていましたので、何度も応援に上京しました。都議選の現場で聞こえてきた声は、「公明党は公明党らしく」あれ、というご指摘でした。
 公明党は公明党らしくとは、二つの視点があると思います。
 第一の視点は、徹底的に「生活の現場に立ち、生活の声を聞き、どの政党よりも働く」ことです。公明党は小さな党ですが、政権に加わって10年余り、自民党を引っ張り、時には反発を押し切り、自民党では実現できなかった定額給付金、児童手当の拡大、乳幼児医療費無料化など数多くの実績を積み重ねてきました。
 公明党のいない与党は、生活が見えない与党である、との確信をもって進むことが大事だと再確認しています。
 さらに、相次ぐ「政治とカネ」の問題に、国民の不信は頂点に達しています。とりわけ民主党は、党の代表が2人続けて疑惑を指摘されています。ゼネコンからの巨額な違法献金。亡くなった人物や、実際には献金していない人物までが個人献金者に入っていたという献金偽装。これでは、政治献金の見直しについて、民主党には叫ぶ資格がないといわざるを得ません。
 公明党は国民の怒りをしっかりと受けとめ、不正議員の公民権停止・政界退場など、政治資金規正法の制裁を徹底強化し、清潔な政治を必ず実現します。これが、「公明党は公明党らしく」の第二の視点です。
 いよいよ衆院選挙のほぼ日程が決まりました。8月18日公示、30日投票。公明党は公明党らしい実績と政策を訴えていくこと大事。都議選の大きな教訓でした。
 こんなことを考えながら、月刊誌「潮」8月号を眺めていると、「第三党『公明党』が日本政治に果たすべき役割」との同志社女子大学教授大嶽秀夫先生の一文が目にとまりました。長文の引用になりますが、非常に示唆的なご意見でしたので、引用・掲載させていただきます。
第三党『公明党』が日本政治に果たすべき役割
「スキャンダルに対する清潔さ」と「生活者の視点」を、公明党は一貫して維持してきた。
大嶽秀夫・同志社女子大学教授
月刊「潮」2009年8月号

 選挙制度改革で小選挙区が中心の制度となり、「二大政党の時代がくる」といわれた。その中で第三党の公明党は、一度は新進党という政党に合流したものの、現在まで一定の勢力を維持している。これは政治学的常識からは考えられないことで、健闘しているといえよう。
 日本の政治はこの20年ほど、改革とその反動の間で揺れ動いてきた。1980年代には中曽根改革、90年代には橋本改革、そして2000年代の小泉改革。いずれも改革の後にはその反動で格差是正へ世論は動いた。
 そのような波のなかで、公明党だけは一貫して自分たちのスタンスを維持してきた。それは一つに「スキャンダルに対する清潔さ」であり、もう一つは「生活者の視点」ということである。
 まず「スキャンダルに対する清潔さ」であるが、日本では政治改革とか行政改革というものは、いわゆる「政治とカネ」などスキャンダルに対抗して出てくるものだった。公明党は「政治とカネ」の問題について非難を受けることなく続いてきているし、だからこそこの問題にも率先して取り込むことができた。
 また「生活者の視点」という意味では、特に都市部の社会的に恵まれてない人々に光を当ててきた功績が大きい。自民党はもともと農村部の利益を反映する性格が強かったし、現在は民主党もそちらに軸足をおいている。雇用問題に直面している若い人などは、基本的に無党派で投票行動をしないため、自民党は救済してこなかった。このような中で、中小企業対策や雇用対策など、都市部の無党派層に向けた政策を実行する公明党の存在は貴重である。
 また今まで述べたこととも関連するのだが、現在、政治家は個人主義の動きが主流になってきている。その中で、公明党の特に地方議員はグループとして動きが活発だ。そのため、個人では調査できないことも調査して、新しい問題を発見し政治の争点として提示する。そのような問題発見能力、調査能力の公明党の強みといえよう。