民主、社保庁を当面存続
年金機構移行を凍結、秋に法案

時事通信(2009/8/15)
 民主党は8月15日、衆院選で政権獲得した場合には、社会保険庁の年金部門を引き継ぐ公法人「日本年金機構」の来年1月の発足を凍結する方針を固めた。秋に想定される臨時国会に凍結法案を提出、成立を期す。社保庁は当面存続させて年金記録問題解決に全力を挙げさせる。将来は、衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉政策である年金制度改革実施の際に国税庁と統合し、税と保険料を一体的に徴収する「歳入庁」を創設する考えだ。
 年金機構は社保庁の一連の不祥事を受け2007年6月に成立した社保庁改革関連法で設立が決まった。社保庁への懲罰的な意味が強く、不祥事で処分された社保庁職員は機構への移行を認めないことになっている。このため社保庁を存続させることには自民、公明両党から「民主党を支持する労働組合の擁護だ」と強い反発が出そうだ。
 政府は年金記録問題について来年1月までに「一区切り」を付け、その後は発足した機構に業務を引き継ぐとしている。
 だが年金記録問題に関し「国家プロジェクトと位置付け、2年間、集中的に取り組む」と公約した民主党は、職員が公務員ではなくなる機構では、政治の監督が十分行き渡らなくなると問題視。マニフェストの基となる政策集でも「記録問題がうやむやになる可能性がある」と指摘している。
 政権獲得後は、厚生労働相や新設を予定する「年金担当相」が直接指揮できる組織として社保庁を当面残し、記録問題の解決を進める考えだ。

年金記録問題の主犯・自治労系の組合を擁護する民主党
社会保険庁:出典はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 民主党の本音が次第に見えてきました。そもそも年金記録問題も、民主党のその手柄があるように言われていますが、その原因を作ったのは、自治労傘下の労働組合であった旧国費評議会にあったことは火を見るより明らかです。その組合の延長上にある社会保険庁の職員の立場を、公務員から外すことは、社保庁改革の屋台骨です。それに真っ向から反対する組合の情報提供により、民主党が年金記録問題を国会で追及できたわけです。したがって、組合の意向と民主党の本音は、“社保庁職員を公務員として存続させる”ことにあります。
 社会保険庁の年金部門を引き継ぐ公法人「日本年金機構」は、2010年1月の発足することになっています。しかし、民主党はその発足をまず凍結させ、年金制度改革実施の際に国税庁と統合し、税と保険料を一体的に徴収する「歳入庁」に統一させる考えです。このフレームワークの中で、国民に年金の信頼を失墜させ、多くの年金生活者の生活の糧を奪った社保庁職員は、そのままノウノウと国家公務員の立場を享受することができるようになります。
 これこそ国民への最大の背信行為です。民主党と社保庁職員組合との談合政治が、今回の衆院選で断罪されなくてならない大きなポイントとして浮上して来ました。
社保庁職員千人弱が不採用に 来年1月、年金機構移行で
時事通信(2009/7/4)
 来年1月に「日本年金機構」に移行する社会保険庁で、正規職員約1万3100人のうち、年金機構や厚生労働省などへの再雇用から漏れた職員が千人弱に上ることが3日、分かった。年金記録問題など数々の不祥事で国民の年金不信を招いた社保庁は、多数の職員のリストラという事態に追い込まれた。
 社保庁はこれらの職員に年金機構の準職員(有期雇用)への再応募を呼び掛けるほか、退職を勧奨するが、応じない場合は強制的に退職させる分限免職となる。組織の改廃に伴う国家公務員の分限免職は1964年を最後に例がなく、訴訟に発展する可能性もある。
 有名人の年金記録のぞき見などで懲戒処分歴のある約790人は年金機構には採用しないことが決まっており、扱いが注目されていたが、このうち300人弱は厚労省への採用が決まった。残りは退職を迫られ、不採用者千人弱の半数余りを処分歴のある人が占めることになる。処分歴のないほかの職員は人事評価などで選考から漏れた。
 再雇用先の内訳は、年金機構の正職員に9614人、準職員に357人、厚労省の年金局や保険局、地方厚生局などに約1200人。
 そのほか、全国健康保険協会(協会けんぽ)に45人、機構への採否が保留されている職員が約200人、定年や自主退職が約700人。不採用者の一部は機構の準職員として吸収され、最終的なリストラ人数は目減りするとみられる。