民主比例は公示当日に 小沢氏ごり押し、積極擁立で混乱
産経新聞(2009/8/18)
 民主党の衆院比例代表ブロックの候補者発表は、衆院選公示日の18日午前にずれ込んだ。背景には、衆院選で同党に追い風が吹いていることから、大幅な得票増を見越し、11ブロックすべてで単独比例候補数の上積みを図った小沢一郎代表代行(選挙担当)の戦略がある。ただ、小沢氏主導による最終決定に、党内からは、「小沢氏の独走だ。政権交代が実現すれば、党運営にも口を出してくる」(若手)と警戒する声も出ている。
 同党は当初、17日中に比例代表名簿を発表する予定だった。しかし、一部のブロックで比例単独候補の順位付けが難航したほか、候補者不足のブロックに他のブロックから補充するなどの調整を行ったため、同日中の発表を断念。18日午前9時にようやく順位が確定した名簿を決める慌ただしさだった。
 同党は、比例単独候補の優遇を認めず、鳩山由紀夫代表(北海道9区)、小沢氏(岩手4区)、田中真紀子元外相(新潟5区)を除くすべての小選挙区候補者を、名簿1位に同列で重複立候補させた。著名人も擁立せず、追い風を呼び込み、議席増を目指す方針だ。
 小選挙区候補に比例代表での復活当選が必要なくなった場合、比例単独候補が足りなくなる可能性があるため、都市部を抱える南関東、東京、東海、近畿の各ブロックで8人ずつの比例単独候補を擁立した。
 ただ、名簿登載者には、小沢氏の意向が色濃く反映された。同党は今月上旬、各都道府県連に名簿搭載候補の推薦リスト提出を要請。もっとも、選挙区の候補者調整で比例代表に回ったケースや、引退表明した党最高顧問の藤井裕久元蔵相、自民党を離党した建設省OBの沓掛(くつかけ)哲男元防災担当相らがおり、「集票力が見込めたり、小沢氏に近い候補が目立った」(中堅)という。
 特に、マルチ商法業界から献金を受けた責任をとって民主党を離党した東海ブロックの前田雄吉元衆院議員は、小沢氏に近いことで知られており、党内でも名簿登載に反発する声が噴出。最終的には小沢氏が折れ、前田氏に擁立しない方針を伝えたという。

 8月18日、衆院総選挙が公示され、30日の投票日に向けて真夏の熱い戦いがスタートしました。
 この日朝一番の驚きは、民主党の比例名簿でした。民主党の北関東比例ブロックの名簿を以下のと通りです。
(1番:同一順位29名・小選挙区重複)福島伸享☆(新)石津政雄☆(新)小泉俊明☆(元)高野守☆(新)大畠章宏☆(前)大泉博子☆(新)柳田和己☆(新)石森久嗣☆(新)福田昭夫☆(前)山岡賢次☆(前)富岡芳忠☆(新)宮崎岳志☆(新)石関貴史☆(前)柿沼正明☆(新)三宅雪子☆(新)武正公一☆(前)石田勝之☆(元)細川律夫☆(前)神風英男☆(前)枝野幸男☆(前)大島敦☆(前)小宮山泰子☆(前)小野塚勝俊☆(新)五十嵐文彦☆(元)松崎哲久☆(元)本多平直☆(元)森岡洋一郎☆(新)中野譲☆(元)高山智司☆(前)
(30番)川口浩(新):茨城県議会議員(現職・自動失職)
(31番)石井章(新):取手市議会議員(現職・自動失職)
(32番)野木実(新):元野木市長(落選中)
(33番)中島政希(新):民主党群馬県第4区総支部長
(34番)桑原功(新):元群馬県議会議員(落選中)
(35番)玉木朝子(新):栃木県難病団体連絡協議会長
(36番)多田直弘(新)

参考写真 その驚きの源は、30番目に名簿搭載された川口浩県議です。公職選挙法の規定により、比例区に名簿搭載されたために、自動失職しましたので、既に現職県議はあありませんが、その擁立課程には驚かされました。
 井手よしひろ県議が、同僚の民主党県議に川口氏のことを問いただすと、その県議も当日名簿が提出されるまで、全く知らされていなかったということです。川口氏は、民主党小沢一郎前代表率いる一新会のメンバー。民主党県連などとの協議は全くなく小沢氏の個人的な人脈で、純粋比例ではトップの30番目に搭載されたようです。
 もちろん、地元取手市の支援者や後援会の方にとっても、寝耳に水の状況で、「地域の発展のため支援してきたのに何の相談もなく、県議を辞め国政に挑戦するとは、何とも無責任」との声も漏れ伝わってきています。
 民主党が大勝するとき、それは小沢チルドレンが大量に埋めれるときです。小沢氏の民主党支配の第一歩が既に始まっています。