参考写真 8月27日、文部科学省は、全国の小中学生の学力の把握を目的にして行われている全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表しました。
 それによると、茨城県の児童生徒の正答率は、国語は4科目中3科目で全国平均を上回わりましたが、算数・数学は全科目で全国平均を下回わりました。中でも算数・数学の基礎的知識を問うA問題では小学、中学ともに全国40位台と低迷しました。
 一方、秋田と福井は2007年度から3年連続で好成績を挙げ、全国的な都道府県の順位が固定化される傾向があります。
 全国学力テストは、国語と算数または数学の2教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題、知識の活用力を調べるB問題を出題。子どもたちに生活習慣などを聞くアンケート調査も同時に行われています。
 茨城県の結果は、小学校で国語の基礎問題が33位、応用問題が22位、算数が基礎問題41位、応用問題29位といずれも基礎問題の順位が低い傾向が見られました。中学校では、国語基礎が26位、国語応用20位、数学基礎42位、数学基礎31位と数学が全国平均以下であることが明らかになりました。
 学力テストの結果を受け、鈴木欣一県教育長は井手よしひろ県議との意見交換で、「算数、数学の基礎知識の問題で、全国水準を下回ったことが問題。現場の先生方とプロジェクトチームを作って、学力向上に取り組みたい」と語りました。
小4全員に夏休み算数補習「学びの広場」を実施
 茨城県教育委員会は、算数のつまずきや算数嫌いをなくそうと、夏休み期間中にすべての公立小学校4年生を対象に、算数の補習授業を行う「学びの広場」を、今年度(21年度)から実施しました。2006年度に県が実施した算数意識調査で、「算数が好きでなくなる」という回答が、4年生を境に増えることが判明したため、約1600万円を予算計上し、新規事業と採用しました。
 県教委は独自に、基礎、応用、発展の習熟度別に教材を作成。夏休みを利用して、1日2時間で5日間実施し、児童らはそれぞれのレベルに応じて四則計算や小数の計算問題などに取り組みました。担任のほか各クラスに1人、大学生や非常勤講師のサポーターが配置され、指導に当たっています。サポーターは約1050人で、報酬は1回3000円のクオカード(交通費込み)が支給されました。
 県教委は「算数嫌いが4、5年生で増えるので、これを契機に学習意欲を高めたい」としている。今夏の検証を行った上で、来年度からは対象学年を広げることも視野に入れています。