子宮頸がん予防ワクチン承認へ 厚労省
朝日新聞(2009/8/31)
 厚生労働省は、若い女性を中心に増えている子宮頸(けい)がんを予防するワクチンについて、承認に向けた手続きに入った。31日午後の薬事・食品衛生審議会部会で審議され、異論がなければ承認されることになる。ワクチンは、すでに100カ国近くで使用されているが、承認されれば国内では初めてとなり、早ければ年内にも発売される。
 ワクチンはグラクソ・スミスクライン社(東京都)が申請した「サーバリックス」。
 子宮頸がんは子宮の入り口付近の頸部にできる。多くは、性行為によるヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染が原因とみられている。
 厚労省などによると、HPVは100種類以上の型があり、十数種類ががんを誘発するが、今回のワクチンはこのうち、最も頻度が高い16型、18型という2種類に対する感染予防に有効性が認められている。
 接種対象は10歳以上の女性。子宮頸がんは、日本では30代後半から40代に多いが、最近は低年齢化が進んでいる。毎年約7千人が子宮頸がんと診断され、うち毎年約2500人が亡くなっている

参考写真 8月31日、厚生労働省は若い女性を中心に感染が広がっている子宮頸がんの予防ワクチンについて、承認に向けた手続きに入りました。31日開かれた薬事・食品衛生審議会部会で承認され、今後は薬事・食品衛生審議会薬事分科会で審議されます。承認されれば国内で初めて販売が認められます。
 公明党は、予防ワクチンの早期承認を求め各地で署名活動を行い、政府に強く働きかけてきました。
 ワクチンはグラクソ・スミスクライン社が申請していた「サーバリックス」。2007年に世界で初めて承認され、現在は欧米中心に96カ国で認められています。
 子宮頸がんの主な原因は性行為などで感染するヒトパピローマウイルス(HPV)。ウイルスの大半は自然に消えるが、一部は感染が続いて細胞の異常を起こし、がんに至ります。
 ワクチンは約100種類のHPVのうち、子宮頸がんの原因の少なくとも半数を占めるとされる16型と18型に対して有効と認められています。20〜25歳の女性500人を対象に、2年間にわたり実施された臨床試験では、ワクチン接種によりHPV感染が約90〜100%抑制されることが確認されています。10〜15歳の100人を対象とした試験でも、全員がHPVに対する抗体を持ったことが明らかになっています。
 子宮頸がんで亡くなる女性は毎年約2500人に上り、近年は20代、30代の死亡が増加しています。早期発見・早期治療によって完治の可能性が高くなるといわれています。
 このため、公明党は子宮頸がんの検診無料クーポン配布や検診手帳の交付と併せ、予防ワクチンの必要性を主張。北海道、東北、東京、九州などの女性党員らが署名活動を行ったほか、浜四津敏子代表代行と党女性委員会(松あきら委員長=参院議員)が麻生太郎首相と舛添要一厚労相に申し入れるなど、予防ワクチンの早期承認を推進してきました。
 井手よしひろ県議ら公明党茨城県本部が、この5月から6月に掛けて行った「公明党女性フォーラム」でも、その有効性が強調され、早期の承認が求められていました。