9月10日、県議会総務企画委員会が開かれました。福田尊士県企画部長は、来年3月に開港する茨城空港のターミナルビルについて、当初計画から人員や清掃費、照明など規模を縮小して運営にあたる方針を示しました。
参考写真 ターミナルビルを利用する乗降客は、当初年間80万7000人と予測していたのに対し、就航が決まっている路線が韓国ソウルと釜山を結ぶアシアナ航空1社だけで、需要予測の1割強の年間11万人程度しか確保できていない見込みとなっています。福田企画部長は、「(ターミナルビルの運営は)経費削減も含めトータルで対応したい」と語りました。(常陽新聞2009/10/11付け報道より)
 ターミナルビルは県開発公社が建設、運営にあたります。年間80万7000人の需要予測をもとに、1日12便(往復6便)、年間69万人が乗り降りすることを想定して、年間4億1000万円程度の収入があると見込んでいました。
 福田企画部長は「県開発公社に財政負担が生じないように、(県と同公社が)互いに協力していこうと約束している。新たな就航(路線の確保)に努力し、ターミナルビルのスタッフの人数を(当初計画より)削減するなど、公社の経費削減も含めトータルで対応したい。(年間4億1000万円の収入があると予測していた収支試算の見直しは)もう少し先に整理したい」とし、「(新たな県の)負担が生じないよう努力していきたい」と語りました。
 7月3日、井手県議は6月に開港した「富士山静岡空港」を視察しました。静岡空港は、搭乗率は予想を下回りましたが、予想に反して空港の見学客は"満員御礼"の状況が続いています。6月の空港入場者数は4万6770人で、このうち見学が3万6469人と78%を占めました。静岡空港のターミナルビル2階にある土産物店「エフ・エアー」には、平日で2000人、土曜・日曜日は3000人が訪れておみやげを購入しています。この店舗はいわゆるお土産品を売る店ではなく、静岡各地の名品を一堂に取り揃えた"アンテナショップ"的な品揃えになっており、県内の見学客も喜んでおみやげを購入すると説明を受けました。(詳しくは「開港から1カ月、富士山静岡空港を視察」をご覧下さい)
 茨城空港も、開港当初は同じような見学客が想定されます。さらに、茨城空港は百里飛行場という航空自衛隊の最前線基地との併設空港です。航空マニア向けの店作りやイベントも企画できると思います。開発公社が管理するという呪縛を解きはなって、地元の商工会やNPOなどの新たな発想も取り入れて、ターミナルビルの構想をやり直してみるべきだと主張します。