参考写真 10月16日、県議会保健福祉員会が行われました。井手よしひろ県議は、インフルエンザ対策について、地域医療再生基金の見直しについて、難病指定について。出産育児一時金の直接支払いについて、動物愛護行政の推進についての5点に渡って、山口やちゑ保健福祉部長ら幹部職員と活発な質疑応答を行いました。
 常任委員会冒頭には、県の不適正な経理処理が保健福祉部では、平成14年度から19年度の6年間で、92件540万円の不適正な経理処理が行われていた全庁調査の結果が報告されました。山口部長は「個人的な公金流用や使途不明金は無かったものの、多額の不適正な経理処理が明らかになりました。一番の要因は『これくらいなら』という職員の法令遵守の精神に甘さがあったことであり、管理監督責任を強く感じています。県民及び議会の皆さまにお詫び申し上げると共に二度とこのような不祥事を繰り返さないよう努めてまいります」(取意)と語りました。
参考写真 井手県議は、国内産の新型インフルエンザワクチンについて、厚生労働省が「健康な成人は1回の接種で免疫を高める一定の効果がある」とする中間報告を明らかにしたことを指摘。ワクチン接種計画見直しの必要性を質しました。また、小中高等学校の養護教諭は、新型インフルエンザに感染した児童生徒と接触する機会が多いことから、医療関係者に準ずるとして、早めのワクチン接種が必要と提案しました。
 地域医療再生基金については、鳩山政権の補正予算見直しの影響を受け、100億円事業が全て25億円事業に置き換えられました。そのために、当初、日立医療圏に計画されていた100億円事業は中止され、日製日立総合病院への地域救急救命センター設置は白紙撤回されました。井手県議は、「鳩山政権の地方を無視した政策展開には怒り心頭に達するものがあります。県は、こうした行政運営に強く抗議すべきだ」と主張しました。
 また、特定疾患治療研究事業に関しても、「新たに11の疾患が難病指定され、県の補正予算がこの議会で審議されている。しかし、国の補正予算見直しの中で、いつから実施できるか明確になっていない」と、国の行政の怠慢を強く批判しました。県保健予防課長は、「県内には11疾患の患者が3300人程度いるとみられ、指定拡大によって1億8300万円の増額補正予算を計上しました。早ければ、10月1日から実施させるはずだったが、国から全く情報が伝わってこない。いつから医療費助成が出来るか分からない」と答えました。
 さらに、出産育児一時金の医療機関への直接支払制度について言及。厚労省は9月末になって、医療機関への直接払いを半年間猶予することをいきなり決定しました。妊婦やその家族から、「出産に係わる医療費は、健康保険から直接医療機関に支払われるものとして用意していなかった。どうして支払いが出来ないのか」といった不満の声が寄せられています。この問題に関して、子ども女性課長は「県内71の産婦人科医療機関のうち、直接払いが出来ないのは5カ所のみ。この医療機関も妊婦や家族から申し出を行えば、直接払いを受けられる」と、現状を報告しました。
 井手県議は質問の最後に、動物愛護行政の推進について2つの提案を行いました。
 第1点は、アニマルセラピー(福祉施設等への動物介在活動、病院への動物介在療法、学校への動物介在教育)の充実について、専門家などを交えた推進体制の明確化と、講演会などの啓発活動の実施です。9月上旬、長野県動物愛護センターを視察した結果を基に、早急の事業化の必要性を訴えました。
 第2点は、ペットのしつけ向上を目指して、「家庭犬インストラクター制度」の創設を検討することを求めました。現状でも、犬のしつけ教室が県動物指導センターが中心となって実施されていますが、余り浸透していないのが現実です。地域ボランティアの協力も得て、犬のしつけを指導出来る人材育成を、県が中心となって図るべきと主張しました。