参考写真 茨城空港の開港日が「3月11日」を中心に検討されていることが明らかになりました。
 10月22日開会された茨城県議会予算特別委員会で、橋本昌知事は「来年3月11日を開港日とすることで調整していると国から聞いている」と述べ具体的な開港日の見通しを明らかにしました。
 その上で茨城空港で唯一、就航が決まっている韓国のアシアナ航空のソウル便の運航スケジュールについて「開港の日程が具体的になったことから近く公表されるのではないか」と答弁しました。
 茨城空港は羽田、成田に次ぐ首都圏の第3の空港として、国が平成17年から総事業費220億円をかけて小美玉市に整備を進めています。
 空港の滑走路などの施設はほぼ完成し茨城県は観光客の誘致活動などを本格化させるため、井手よしひろ県議は、10月9日の県議会代表質問で、茨城空港の開港の日程を早く決めるよう国に求めていました。
茨城空港開港日に関する橋本知事の答弁(趣旨)
 開港日につきましては、私どもが利用者の募集するにあたっても大変大きな要素となってまいりますことから、早急に決定されるよう国に対して働きかけを起こっているところでございます。
 このたび、来年3月11日を開港日とすることで関係機関と調整しているとのお話しをいただきました。
 これから航空法に基づく告示をもって正式な決定となるわけでございますが、これについては若干遅れると聞いております。
 また、アシアナ航空のソウル便の運航スケジュールでございますが、これについても開港時期が3月11日を候補に調整しているということが具体化してまいりましたので、近日中に公表されるのでは中と考えております。

茨城空港 3月11日開港で調整
正式発表 来月以降か

読売新聞(2009年10月22日)
 茨城空港(小美玉市)の開港時期について、国土交通省が2010年3月11日で調整していることが21日、分かった。開港日が決まれば路線のダイヤやツアーなどが決まるため、県は国側に早期の確定を求めている。しかし、前原国交相が地方空港を乱立させてきた航空行政の根本的な見直しを掲げているため、開港に向けて流動的な要素も残っており、正式な発表は来月以降にずれ込む見通しだ。
 現在、茨城空港への就航が決まっているのは韓国大手・アシアナ航空のみ。県は、格安航空会社のエア・アジアX(マレーシア)やセブパシフィック航空(フィリピン)、中国の航空会社などと交渉を続けているが、国内線は日本航空の経営不振などの影響もあり、見通しは立っていない。
 空港の供用開始日は、飛行場完成後に行われる国交省の検査を経て、「国際民間航空機関(ICAO)」の規定に従い、国際的に周知される。ICAOのルールでは、新空港開設をはじめとする運航上の重要な情報は、航空会社や航空関係者に「航空路誌」で知らせる必要がある。
 航空路誌は28日周期で毎回木曜日に発行されており、日付は世界的に統一されている。空港開港日も航空路誌の発行日となっているのが慣例だ。茨城空港の開港が予定される来年3月は11日以外に該当日がなく、国交省もこの日を開港日としたい意向だ。
 しかし、前原国交相が空港整備に関する特別会計を見直す方針を示し、不採算空港の着工に否定的な考えなため、茨城空港開港まで半年を切ったにもかかわらず、国交省は開港日の発表を先送りしている。
 県選出のある民主党国会議員は「茨城空港はほぼ完成しており、今更開港延期はない」と話しているものの、空港関係者は「まさか延期や中止という決定にはならないと思うが」とやきもきしている。アシアナ航空は正式なダイヤを発表できず、旅行会社もツアーを組んだり、旅行商品をPRしたりできない状態だ。
 橋本知事は今月9日、県議会の代表質問への答弁で、「開港日の決定は、利用客の確保、旅行商品、チャーター計画の具体化などに大きく影響する。国に対し開港日の早期決定を強く働きかけている」と述べている。