10月30日、このブログでは11月1日から家庭での太陽光発電でについて、その余剰電力を今までの2倍近い単価で買い取る制度がスターとすることを指摘しました。(「11月1日から『太陽光発電の新たな買取制度』がスタート」をご参照下さい)
 民主党の菅直人国家戦略相は31日、民主党都連の会合で講演し、太陽光や風力など「再生可能エネルギー」による電力を電力会社に全量買い取らせる制度を2010年度から導入する考えを明らかにしました。
 菅戦略相は「全量固定価格買い取り制度を決めればいい。電力会社も、そろそろOKする」と語ったと報道されたいます。
 太陽光電力の買い取りはこれまで電力各社が任意に行っていましたが、この11月から義務化され、買い取り単価も引き上げられました。しかし、それは自宅で使用した後にあまった『余剰電力』であり、民主党は衆院選のマニフェストで、自家消費の分も含めた『全量発電』を買い取る制度の導入を明記しました。風力など他のエネルギーによる電力も幅広く買い取ることも検討しています。
 家庭では電力会社から電気を買う単価より、売る単価の方が高い制度設計になりますので、太陽光発電装置を設置する家庭が大幅に増える可能性があります。
 しかし、この『全量買取』には大きな落とし穴があることも認識しなくてはなりません。買取分のコスト増は、電力会社が一時的負担しますが、最後は電気料に上乗せされて、消費者が負担するという点です。
 11月からの余剰電力買取でも、月に数円の電気料負担が上がるとされています。『全量買上』となり、太陽光発電量が増えると、太陽光パネルを設置できない低所得者や持ち家を持たない消費者には一方的な負担増となります。こうした、持つ者と持たざる者の格差を広げるような政策を、簡単に導入して良いのかという議論は慎重に進めるべきです。