公明、規正法改正案提出へ=献金虚偽記載で、自民は見送り
公明党は11月10日、秘書が政治資金収支報告書に虚偽記載をした場合に国会議員本人の公民権(選挙権や被選挙権)を停止させる政治資金規正法の改正案を11日に衆院に提出する方針を決めた。公明党幹部よると、自民党にも共同提出を呼び掛けたが、同党は「まだ検討させてもらいたい」として応じなかった。
公明党は、鳩山由紀夫首相の献金虚偽記載問題を受け、先の衆院選マニフェスト(政権公約)に同法案提出を掲げた。また、同法案は自公両党の衆院選での共通公約だった。

現行法では、会計責任者の「選任及び監督」について「相当の注意を怠ったときは、50万円以下の罰金」が科されることになっています。しかし、選任段階で相当の注意を怠ったことを立証するのは、事実上不可能で、現実的に政治家の連帯責任を問うことは難しく、「法の抜け道」と指摘されています。
改正案では、会計責任者の「選任又は監督」に変更。これにより、政治家の監督責任だけでも問うことができるようになります。政治家が罰金刑になると、現行法で公民権停止となり、国会議員の場合、国会法に基づき、失職することになります。
公明党は、相次ぐ「政治とカネ」の問題が国民の政治不信を招いているとして、実効性ある規制強化策を検討。衆院選マニフェストでは「清潔政治」を第一に掲げ、不正を犯した政治家が「秘書がやった」との言い訳を許さずに政界退場させる政規法の制裁強化を提唱してきました。
鳩山由紀夫首相は、公明党が法改正の是非をただした際、「基本的に前向きに対処すべきではないか」(09年8月17日の公開党首討論会)と明言。また、臨時国会でも「十分に議論すべきテーマ。まずは国会で大いに議論してほしい」(09年11月9日の参院予算委員会)との考えを示しています。
なお、この罰則強化は衆院選の自民・公明の統一マニフェストであったはずです。自民党が、法案提出に慎重な姿勢を取ったことは、まだマニフェスト軽視=公約軽視の姿勢がそのまま残っていることに証明に他なりません。自民党再生の道も遠いと実感しました。
今後、公明党は各党各会派に協力を呼び掛け、早期審議入りをめざし、法改正を実現していく方針です。
(写真は衆院に法案を提出する公明党の斉藤政調会長、井上幹事長、大口衆院議員(左から))