戸別補償 コメの多様性無視
公明新聞(2009/11/18)
出先機関温存は公約に矛盾/衆院農水委で石田氏
参考写真 17日の衆院農林水産委員会で公明党の石田祝稔氏は、政府が来年度からコメを対象に導入しようとしている戸別所得補償制度などについて、見解をただした。
 石田氏は、同制度が地域や銘柄ごとに異なるコメの生産性や販売価格の下落率の高低を無視し、北海道から沖縄まで販売価格と生産費の差額を全国一律の基準で支払うという問題点を厳しく追及した。また、石田氏が「(対象見込みの)約180万戸の農家に誰が(交付金を)渡すのか」と質問したのに対して、赤松広隆農水相は同省の出先機関である各地の農政局が担当する方針を示し、「農政局は残す」と答弁。“地方の出先機関は原則廃止する”とする民主党のマニフェストとの矛盾を露呈した。
 石田氏は、今年度補正予算で政府が執行停止したはずの農地集積加速化事業と耕作放棄地の再利用支援事業が来年度概算要求に盛り込まれ、それが行政刷新会議の事業仕分けで廃止や半額削減と判断された経緯にも言及。政府与党の迷走ぶりを批判した。
(写真は質問する石田氏:11月17日衆院農林水産委員会)

 民主党の衆院選マニフェストには、次のような記述があります。
28.国の出先機関、直轄事業に対する地方の負担金は廃止する
【政策目的】
○国と地方の二重行政は排し、地方にできることは地方に委ねる。
○地方が自由に使えるお金を増やし、自治体が地域のニーズに適切に応えられるようにする。
【具体策】
○国の出先機関を原則廃止する。
○道路・河川・ダム等の全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、地方の約1兆円の負担をなくす。それに伴う地方交付税の減額は行わない。
 このマニフェストを素直に読めば、地方農政局は当然廃止されるはずです。しかし、赤松農水相は農家の戸別補償を実施する機関として地方農政局を存続させると明確に答弁しました。そもそも、地方農政局は自民・公明の前政権下でも廃止が方向付けられており、新政権発足後たった2カ月での方針変更に開いた口がふさがりません。