参考写真 11月27日、県議会に井手よしひろ県議を紹介議員とする「子どもの健全育成を推進するための国の予算拡充を求める請願」が提出されました。
 この請願は、子どもたちが土と親しむ機会を増やし、科学や生物への関心を高める取り組に携わっている筑波大学の土壌学の研究室の先生を中心に提出されたものです。
 請願では、「子どもたちの社会性を育成する観点から、自然体験活動等の充実や、読書に親しむ場を創出することの重要性が広く認識されている」と指摘した上で、行政刷新会議の事業仕分けでは、「子どもの読書活動推進事業」「子ども夢基金」が『廃止』と判定されたことに対して、「まさに唐突な結論であり、誠に遺憾の極みである」と、厳しく批判しています。その上で、「子どもの読書活動推進事業」と「子ども夢基金」に対する『廃止』の結論を見直すことと子どもの健全育成を推進するための予算拡充を求めていいます。
 この請願は、12月2日の県議会文教治安委員会で審議され、9日の議会最終日に採択されれば、国に意見書として提出されることになります。
子どもの健全育成を推進するための国の予算拡充を求める請願

 社会全体のモラル低下、地域社会の教育力の低下、メディア上の有害情報の氾濫など子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中、子どもたちの社会性を育成する観点から、自然体験活動等の充実や、読書に親しむ場を創出することの重要性が広く認識されています。
 国においては21世紀を担う子どもの健全な育成の一層の推進を図ることを目的に「子どもの読書活動推進事業」「子どもゆめ基金」等、様々な体験活動や読書活動等への支援が行われてきました。茨城県においても「子どもゆめ基金」を活用した33の事業が平成21年度交付内定しており、子どもの健全育成のため、その効果が大きく期待されています。
 しかしながら、国の平成22年度予算概算要求に対する行政刷新会議の事業仕分けによると、「子どもの読書活動推進事業」(概算要求額2億1200万円)、子どもの体験活動や読書活動の振興を図る「子どもゆめ基金」(同21億4400万円)が「廃止」と判定されたことは、まさに唐突な結論であり、誠に遺憾の極みです。
 よって茨城県議会としては、下記事項を地方自治法第99条の規定に基づき国の関係機関へ、意見書として送付することを請願します。
  1. 平成22年度予算概算要求に対する行政刷新会議の事業仕分けにおける「子どもの読書活動推進事業」および「子どもゆめ基金」の廃止との結論に対しては見直しを行うこと。
  2. 国においては子どもの健全育成を推進するための予算を拡充すること。
 平成21年11月27日
茨城県議会議長 葉梨衛 殿
茨城県つくば市○○○
田村 憲司
 国会においても、子どもの健全育成のための事業については、事業仕分けの結論に異論が相次いでいます。
 18日の衆院文部科学委員会で公明党の富田茂之議員は、子どもの読書活動推進事業について、政府の見解をただしました。富田議員は、2007年度に小学生が図書館から借りた本が、1人当たり35.9冊で過去最多となった点について「子ども読書運動の成果だ」と強調。事業仕分けについて、「成果が出ていても関係なく、『地方がやれば良い』『文科省がやる必要はない』と議論するのは乱暴過ぎる」と指摘しました。
 川端達夫文科相は、事業仕分けの結論について「法的根拠はない。長い間やってきて評価を受けた事業は必要と思って概算要求を出した」と強調しました。
 また、26日の衆院青少年問題に関する特別委員会で公明党の高木美智代議員は、鳩山政権の「事業仕分け」の結果を予算編成にどのように反映させるのか追及。この中で、「子どもゆめ基金」「子どもの読書活動推進事業」が事業仕分けで「廃止」とされたことに対して、豊かな心をはぐくむという事業の性格に照らして「仕分けにそぐわない」と指摘し、事業の継続を強く訴えました。
 高井美穂・文部科学大臣政務官は、“政治主導”を標榜して実施されてきた事業仕分けの結果については「あくまでも参考意見」として、最終的には文科省として判断することを表明。この二つの事業に関して「(存続を)検討していく」と答弁しました。
 子ども健全育成やお年寄りや障害者の支援、科学技術の振興、更には地方分権の推進など、事業仕分けになじまない事業を、効率一辺倒の物差しで評価することには大きな問題があります。
 茨城県議会でも、鳩山新政権に対して、住民にもっとも近い視線から具体的な提言を活発にしていきたいと思います。