12月25日、八ッ場ダムの建設中止撤回を求める「八ッ場ダム建設推進全体協議会」が、東京都千代田区の憲政記念館で開かれました。谷垣禎一自民党総裁、石井啓一公明党政務調査会長代理、石原慎太郎東京都知事、上田清司埼玉県知事、大澤正明群馬県知事ら関係都県の知事、議員など約700人が出席しました。井手よしひろ県議も公明党茨城県議団を代表して参加しました。
 自民党の谷垣総裁は、「今の財政の苦しさは社会保障から生じる赤字で、コンクリートに大きな原因はない。(鳩山内閣は)コンクリートから人へと言うが、コンクリートが人、命を守る場合がある」と語りました。
参考写真 また、石井政調会長代理は、民主党が八ッ場ダム建設を一方的に中止したことは「手続きが強引で性急だ」と批判した上で、「なぜ中止にしたのか、根拠はまったく不明で納得できない」と指摘。前原誠司国土交通相がダムの必要性を再検証する考えを示していることに対し「中止を撤回してからやるべきだ」と述べました。さらに、50年以上の協議を経てダム建設に至ったにもかかわらず、中止宣言で住民が翻弄されているとし、「住民の気持ちを最大限に大切にすべき」と強調。「公明党は八ッ場ダム問題の解決に向けて全力で闘う」と訴えました。
 協議会では、「八ッ場ダム建設事業は多くの時間と費用をかけ、国と地元が連携して進めてきた。これを無視した国土交通大臣の行為は許されない」とした決議文を全会一致で採択しました。また、前原国交相宛の「八ッ場ダム建設事業に関する要望書」を採択し、「八ッ場ダム建設促進を求める署名活動」を1都5県で展開することを確認しました。
 なお、同日閣議決定された平成22年度予算には、ダム本体工事の予算は組み込まれなかったものの、住民の生活再建関連予算として154億5千万円が計上されました。
八ツ場ダム生活再建に154億円を計上 地元から安堵の声 群馬
産経新聞(2009/12/27)
 閣議決定された平成22年度当初予算の政府案に、建設中止が明言されている八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の生活再建関連予算として、154億5千万円が計上された。生活再建関連事業の継続を求める地元住民からは「まずはひと安心」などの声がもれた。
 生活再建関連予算をめぐっては、17日に開かれた地元住民らでつくる「八ツ場ダム水没関係5地区連合対策委員会」(萩原昭朗委員長)の会合で、前原誠司国土交通相が要望してきた意見交換会に応じることを決めた際、同予算が政府案に計上されなかった場合は、再び交換会に応じない構えもみせていた。
 同予算が計上されたことを受け、同委員会の篠原憲一事務局長は、「評価はできる。駅の整備を含め、工事が順調に進むはず」とし、川原湯温泉旅館組合の豊田明美組合長も「これで意見交換の場を持ち、話し合いを進めることができる」と話した。
 ただ、政府案には具体的な事業内容については明示されておらず、地元住民が建設を要望する一方で、民主党県連が入札中止を求めている湖面1号橋についても公表されなかった。
 篠原事務局長は、「どこに予算がついているのかはっきりしない。意見交換の際にはっきり質したい」としている。