1月25日、アメリカのオバマ大統領は、中間所得者層を支援する一連の措置を提案しました。今週発表する一般教書演説に盛り込まれる見込みです。
 これには、子育て世帯を対象とした減税の拡充や貯蓄奨励などが含まれています。特に、子育て支援については、子供が2人いる年収8万5千ドル(約770万円)の世帯の場合、子育てにかかる費用の税額控除率を従来の20%から35%に上げる。政府の子育て対策にも新たに16億ドルを投入し、幼児の保育支援は20万人以上を対象にする。また、大学を出たばかりの若者の負担を減らすため、学生ローンの返済額の上限を、生計費を除く年収の10分の1にする。など、注目すべき政策が盛り込まれました。
参考写真 1月20日の参院代表質問でも、公明党の松あきら副代表(女性委員長)が、鳩山首相に対し、総合的な子育て支援策の強力な推進を求めました。
 松副代表はまず、民主党がマニフェストの目玉政策に掲げていた子ども手当を取り上げました。当初は「全額国費」で実施するはずでしたが、財源の確保が出来ず、結果、現在の「児童手当」制度の枠組みを活用することになりました。
 つまり、公明党が40年かけて拡充を重ねてきた児童手当の支給額を増額しただけで、「『子ども手当』の創設というよりは、『児童手当』の拡充」というのが偽らざる感想です。
 「児童手当」の拡充という観点で支給額の増額は、歓迎するところですが、安定財源が確保できなければ、子ども手当の制度継続は困難になります。政府が具体的な方針を示さない限り、国民の不安は解消されません。23年度からは、倍額の2万6000円に拡充すると強弁しているのですから、なおさらです。
 その上で松副代表は、「子育て支援は『子ども手当』だけですべてが解決されるわけではない」と強調しました。
 具体的には、42万円に拡大した出産育児一時金や児童手当などの「経済的な負担軽減」とともに、保育所の待機児童ゼロ作戦、放課後児童クラブの拡充、病後児保育の推進などの「子育ての環境整備」を挙げました。
 その他にも、乳幼児の医療費の無料化や教材費や給食費などの義務教育費用の無料化も、ぜひ必要な施策です。
 「子ども手当」創設で子育て支援策が完結するとの考えは全く短絡的です。バラマキ的な現金給付よりも、アメリカの実例などを持ても、より、総合的多角的な支援策が求めれます。