公明党の修正案、政府与党も同意、反対は自民党のみ
参考写真 3月12日、衆院厚生労働委員会では、中学卒業までの子ども1人につき月1万3000円を支給する政府提出の「2010年度の子ども手当法案」を、公明党の主張通り一部修正した上で採決し、民主、社民の与党両党と公明、共産両党の賛成多数で可決しました。来週16日にも衆議院を通過する見通しとなりました。
 委員会の冒頭、公明党の古屋範子さんは、(1)児童養護施設の入所児童など支給対象にならない子どもにも必要な措置を講じる、(2)11年度以降の全般的な子育て支援の拡充を検討する――を内容とする修正案(与党、公明党の共同提出)を提案しました。
 採決前の質疑で公明党の坂口力副代表は、今回の子ども手当法案は「公明党が推進してきた児童手当の延長線上に位置付けられる」と指摘。10年度分は財源も確保されており、1年限りであれば賛成すると述べた上で、11年度以降については「(保育サービスの拡充など)現物給付を横に置いて2万6000円(満額支給)というなら反対だ」と強調しました。
 また、坂口氏は保護者の働きやすい環境整備など全般的な子育て支援策の強化が重要だと指摘し、「(限られた財源の中で)子ども手当だけをやれば、総反発を受ける」と訴えました。
 さらに、かつて民主党が児童手当の拡充にすべて反対してきた事実に触れ、「政局で考えては国民にマイナスになる」と批判。長妻昭厚労相は「(給付額が)不十分だというのが(反対の)理由だった。子どもにかける予算を増やしたいとの考え方は(公明党と)同感だ」と釈明しました。
 質疑の結びで坂口議員が「私たちが5千円、5千円、1万円の児童手当をつくるだけでも、ばらまきだといって大きな批判を浴びました。民主党もそのころは、ばらまきだというふうに言っていたのです。児童手当を拡充していくごとに、ほかの各党は、共産党さんも、社民党さんも、賛成してくれましたが、民主党だけはただの一度も賛成されたことはなかった。これだけは私の心の中に焼き付いてはなれない。怨念として残っています。最後に、児童手当は決して間違っていなかったということを大臣からお聞きをしたい」と、長妻大臣に質問。長妻大臣は、「私も先ほど答弁申し上げましたように、長年の御尽力があって児童手当という制度が一歩ずつ前進をしていったということは、私もよく理解をしているつもりです」と応じ、民主党が党利党略で、今まで児童手当に反対してきたことが鮮明になりました。
 この質疑を通して明らかになったことを整理しておきたいと思います。
 その一つは、長妻大臣は、子ども手当と保育サービスの充実の両方をやり抜くと断言しました。これは、民主党政権には大きな重しとなります。なぜならば、平成23年度以降、財源の明確な手当て無くして子ども手当2万6000円を強行しようとしても、保育サービスなどの財源を減らすことは出来ないということであり、5兆4000億円の手当と1兆数千億円のサービス充実で、合計7兆円の財源を用意することが迫られるからです。5兆円の財源も桃ならぬ財政状況で、2万6000円の満額支給は、この坂口質問で実質的に出来なくなったと言っても過言ではありません。
 井手よしひろ県議はこうした点も踏まえ、3月13日、日立市内各所で街頭演説を行い、子ども手当法案や高等学校無償化への公明党の対応について報告しました。