公明党が子ども手当法案や高校授業料法案に賛成したことから、マスコミの一部に、「公明党が民主党にすり寄っている」と報道することが目立っています。支持者の方からも「民主党との連立に梶を切ったのですか」とか「自公連立で公明党らしさが失われて残念な思いをしていた。今度は民主党ですか」などと手厳しいご批判をいただくことがあります。
 こうしたご批判をいただいたとき、3月16日の衆議員での子ども手当法案の採決の際、公明党の古屋範子衆院議員が行った賛成討論を紹介しています。

 この中で、古屋議員は3点にわたって賛成する理由を述べています。
 第一の理由は、今回の法案は名前こそ子ども手当法案となっていますが、その内容は実質的に公明党が一貫して推進してきた児童手当の拡充法案そのものであるからです。
 第二の理由は、本法案の内容がこれまで公明党が主張してきた児童手当の抜本拡充案を実現する内容となっているからです。公明党は、児童手当の拡充案として、支給対象を中学校3年生までに引き上げること、さらに、現行の第一子、第二子は5千円、第三子以降は1万円という支給額について、第一子、第二子は1万円、第三子以降は2万円と、支給額の倍増を目指しており、この法案はそれをほぼ実現する内容となっています。
 第三の理由は、公明党が主張した修正案が盛り込まれていることであります。
 まず、法案の附則に「平成23年度以降の子育て支援に係る全般的な施策の拡充について検討の上、必要な措置を講ずる」ことが明記されました。公明党が修正を求めた趣旨は、トータルな子育て支援策を拡充するという意味において、子ども手当などの現金給付とともに、それ以外の保育所待機児童対策や放課後児童対策、さらには両立支援のためのワークライフバランスの実現などが必要であり、これらの施策をバランスよく進めることが子育て世帯のニーズに応えるものと考えるからであります。
 さらに公明党が勝ち取った修正の内容は、子ども手当の対象から児童養護施設に入所する子どもや里親のもとにいる子どもなどが漏れていた点について、手当の支給対象として認めるよう、「児童養護施設に入所している子どもその他の子ども手当の支給対象とならない子どもに対する支援等を含め制度のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」との文言が附則の検討条項に明記されました。
 この3点の理由で、公明党は平成22年度単年度の子ども手当法案に賛成したわけです。
 その上で、古屋議員は、民主党と公明党の政治姿勢について、以下のようにきっぱりと言い切ります。党利党略で児童手当に反対し続けた民主党と国民のために是々非々の決断をした公明党との対比が鮮やかに出ています。
公明党古屋範子衆院議員の「子ども手当法」案への賛成討論
(2020/3/16衆議院本会議、最後の部分の抜粋)
 最後に民主党に一言申し上げます。
 本法案の質疑の中で、これまで我々が進めてきた5回の児童手当拡充のうち、法改正を伴う4回の拡充に全て反対した唯一の政党が民主党であることを指摘し、その反対理由について伺いました。長妻大臣は、『給付内容が十分ではないということ等で反対』をしたと答弁しておりますが、これについては全く納得できません。
 もう一度、当時の議事録をよく読んでいただきたい。当時の議事録には、『選挙を意識し過ぎて、慌てて、性急に、いわゆるばらまきというようなものにつながるような形で』などと複数の民主党議員が我々の拡充案をバラマキと批判しているではありませんか。大臣が言うように、『給付内容が十分ではない』等の理由で反対したのであれば、少なくともこのような発言は出てこないはずであり、猛省を促したいと思います。
 私たち公明党は、これまでの民主党が行ってきた反対のための反対はいたしません。今回の子ども手当法案に限らず、公明党が国民生活を守るために重要だと思う政府の施策については、賛成するものは賛成、修正すべきものは修正を要求していきます。
 党利党略ではなく、国民のためという政策判断の基準をもとに、本修正案に賛成することを申し上げ、私の討論を終わります。