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 4月16日、茨城空港に、スカイマークの茨城〜神戸便が就航しました。
 ほぼ満員の乗客を載せスカイマークの定期第1便(B737-800)は、午前8時20分に神戸空港を離陸。9時30分頃に茨城空港に到着しました。待望の国内第1便を迎えた茨城空港では、花束贈呈やテープカットなどが行われ、乗降客に記念品が贈られました。ターミナルビルで行われた式典では、茨城県の橋本知事が「多くの人に利用してもらうことで各航空会社がさらに茨城空港の増便などに力を入れてくれることを期待しています」とあいさつしました。また、スカイマークの有森正和取締役は「国から運航の問題点の指摘も受けたので安全上問題のない運航を行いたい」とあいさつしました。
 この後、神戸からの1番機は、約50分遅れで折り返し、ほぼ満席の乗客を乗せて神戸に向けて出発しました。
参考写真 神戸には午後0時半すぎに茨城からの第1便が到着。神戸空港のロビーでは、神戸市の親善大使や職員が出迎えました。茨城県の上月良祐副知事やマスコットキャラクター“ハッスル黄門”、それに観光客などおよそ160人が到着し、地元の盛大な歓迎を受けました。
 スカイマーク広報によると、茨城〜神戸便は順調なスタートとなり、4月末までは70%を超える予約が、既に入っているほか、5月の大型連休の期間中は、すでにほぼ満席の状態です。
参考写真 スカイマークの神戸便就航を記念して、茨城空港のターミナルビル内では、4月16日から18日までの3日間「神戸観光&物産フェア」が開催されています。会場では神戸ワインの試飲・販売をはじめ、人気の「魔法の壺プリン」など約30種類が並び、普段茨城では手に入らない神戸の逸品を購入することが出来ます。
 茨城〜神戸便の就航に際してのPR合戦は、どうも神戸側に軍配が上がったようです。神戸が持ち込んだ神戸のスイーツ類はあっという間に売り切れの状況。16日のお昼前には、展示台に空きが目立つ状況でした。反面、茨城側は、17日に“ハッスル黄門”らがラジオ番組に出演するほか、茨城の観光物産展を5月以降に開催する方向で、神戸市の繁華街で開催できる場所を物色中ということですが、定期便就航という絶好のタイミングを逸したかっこうとなりました。
低運賃による需要喚起を目指し、経費を徹底的に削減
参考写真 茨城空港は、国内初のLCC(格安航空会社)対応空港として誕生しました。自走式による航空機の運用や出発ロビーと到着ロビーをワンフロアに集約、ボーダリングブリッジを設けずタラップでの乗降方式の採用など空港の使用料を大幅に縮減しました。エアバスA330クラスの空港使用料は、羽田空港が552,000円、成田空港が406,410円と世界的に見ても高額ですが、茨城空港は265,090円と羽田空港の半額以下となっています。
 さらに、茨城空港に就航したスカイマークは、より一層の運航コスト削減のため、以下の3点の規制緩和を国土交通省に求めてきました。
(1)整備士を空港に常駐させない
(2)空港に支店を置かない
(3)搭乗手続きを自動チェックイン機にする
 国土交通省は就航前日の15日になって、空港に事務所を置かず、整備士を常駐させないスカイマークの経費削減案を許可しました。整備士や地上業務を担当する乗務員は、神戸発の定期便で乗り、茨城空港に午前9時35分に到着。機体整備やチェックインなど地上業務にあたり、10時35分発の便で神戸に戻る体制となります。
 しかし、係員を置かない自動チェックインの機材導入は初就航に間に合いませんでした。当分の間、客室乗務員がチェックイン業務にもあたることになります。
 この茨城を午前10時35分に出発し、11時55分に神戸に到着する機体は、約35分後に那覇空港に向かう便として運用されています。沖縄への利用客は当面、荷物とともにいったん降り、再度チェックインする必要がありますが、茨城県は利便性を高めるため、荷物の積み替えをしなくても沖縄へ行けるようスカイマークに要請しています。
 こうした経費節減の効果があって、21日前までに早期予約(早割21)すると片道5800円という安さが実現しました。
 さらに県は、茨城空港と東京都心を結ぶリムジンバスを片道500円(茨城空港利用者対象)で運行することを計画しています。最も安い航空券を使えば東京〜神戸間が片道6300円となり、首都圏、関西圏の需要の掘り起こしを目指します。