宮崎県の口蹄疫感染・感染疑いは、児湯方面の川南町、都農町を中心に拡大。鹿児島、熊本県と接する、えびの市からも感染が確認され、5月10日現在、計56例の感染・感染疑いが確認され、殺処分対象の牛や豚は約6万4000頭に上っています。
 5月11日、衆議院農林水産委員会での江藤拓議員(自由民主党・無所属の会)と赤松広隆農水大臣との質疑の模様を掲載しました。





 口蹄疫は、ひづめの割れた動物(ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカなど)に見られるたいへん感染しやすい病気です。
 ウシが感染すると、発熱、ふるえ、脚の痛み・腫れ・水ぶくれ(水疱)、よだれなどが見られます。ミルクの出も悪くなります。
 ブタでは、突然、脚が不自由になり、横になっていることを好みます。動くように強いられると、キイキイと大声を出し、痛そうに脚を引いて歩きます。ひづめに添った皮膚、鼻や舌などに水ぶくれ(水疱)ができます。
 病原体は口蹄疫ウイルス(FMD virus)で、潜伏期間は、24時間から10日ぐらいです。
 口蹄疫の感染経路は、主に三つあります。
1.動物から動物へと、直接に。直接の動物間の接触や、離れていても咳によって生じた飛沫を吸い込んだりした場合。
2.感染した動物に接触した人間が、病原体である口蹄疫ウイルス(FMD virus)を運んでしまう場合。
3.病原体である口蹄疫ウイルス(FMD virus)を含んでいる、感染した動物の糞・尿・唾液によって汚染された物との接触による場合。車や犬や動物の身の回りの器具などが含まれます。
 口蹄疫は、人間の感染症ではありません。口蹄疫に感染した家畜を食べても、影響はないとされています。
  口蹄疫の治療法は、現在の所ありません。感染が広がらないように殺処分をします。英国で口蹄疫が発生した場合の対処法は以下の通りです。まず、24時間以内に、口蹄疫が発生した農場の口蹄疫に感染する恐れがある動物をすべて処分します。次いで、48時間以内に、その隣の農場でも口蹄疫に感染する恐れがある動物をすべて処分します。動物の死骸については、決められた方法で焼却・埋める等されます。
 今回の宮崎県での口蹄疫の拡大に対しては、政府の対応の遅れが指摘されています。特に、ゴールデンウィークに、対策の責任者である赤松農林水産大臣は、関係閣僚とEPA・FTA等にかかる会談を行うため、メキシコ、キューバ、コロンビアに、4月30日から5月8日まで出張していましために、批判が集中しています。