5月20日、井手よしひろ県議は県議会保健福祉委員会の県内視察に同行して、国立病院機構水戸医療センターを訪問。7月1日より就航予定の茨城県のドクターヘリの準備状況を薗部眞院長より聴き取りするとともに、ドクターヘリのヘリポート運用コントロール室などを視察しました。
 ドクターヘリは、救急用医療機器を装備し救命救急センターに常駐し、消防機関や医療機関などからの要請で、救急医療の専門医師や看護師が同乗して救急現場に向かい、現場から医療機関に搬送するまでの救命医療を行うことができるヘリコプター。
 茨城県では、全国でも初の試みとして水戸市双葉台の水戸済生会病院と茨城町の国立病院機構水戸医療センターとにより共同運航方式を採用しました。日曜日から火曜日までの3日間は水戸医療センターに、水曜日から土曜日までの4日間は水戸済生会総合病院がドクターヘリの基地病院の機能を果たします。
 担当の期間は、ドクターヘリの各々のフライトドクターとフライトナースが登場して、患者の待つランデブーポイントに向かいます。応急措置を行い、ヘリに乗せて病院に搬送しますが、全て基地病院で治療を行うわけではありません。出来るだけ丹治浮かんで搬送の出来る病院、専門的な対応が出来る病院に搬送することになります。
 例えば、済世病院のスタッフが担当している場合でも、脳外科の患者であれば水戸医療センターに、やけどの患者であれば筑波メディカルセンターへ搬送すると言うことになります。
参考写真 使用されるヘリコプターは川崎重工製のBK117C−2型機。この機種は、心電図モニター、吸引機、人口呼吸器、除細動機、輸血ポンプ及びシリンジポンプなどのいわゆるメディカルキャビネットを装備した上で、患者用のストレッチャー、医師、看護師の他2座席を確保できる広く、フラットなキャビンが大きな特徴です。最高速度は時速270キロ。巡航速度は220キロ。巡行高度は500メートルです。出動要請から約30分以内で、県内の現場に到着できます。運航時間は午前8時30分から午後5時30分(日没まで)で、年間400回から700回程度の出動を想定しています。
 水戸医療センターは茨城県の中部・北部唯一の救命救急センターを有する第三次救急医療施設です。フライトスタッフとして医師7名(外科3名、脳神経外科1名、循環器内科3名)、看護師7名が専任されています。
 当面、水戸医療センターは医師2名(外科医と内科医)と看護師1名をヘリに搭乗させます。
 薗部院長からの聴き取り調査では、ドクターヘリ事業への期待や課題など、率直な意見交換が行われました。薗部院長は、スタッフの慣れの問題、スタッフが不足している問題、麻酔科師の確保の問題、経費の問題の4つの課題について指摘しました。その上で、「7月の就航に向けてスタッフの士気は高まっており、試行錯誤しながら県民のいのちを守る体制を整備していきたい」と語りました。
参考:水戸医療センターのHP