参考写真 今まで母子家庭にしか認められていなかった児童扶養手手当が、所得が低い父子家庭にも適用されるようになりました。
 5月26日、「改正児童扶養手当法」が参院本会議で全会一致で可決、成立しました。
 支給の条件は世帯構成によって異なりますが、子どもが1人なら年収365万円未満の世帯が対象となります。所得に応じ月額9850円〜4万1720円が支払われまする。政府は、支給対象を約10万世帯と試算しています。
 具体的には4、8、12月の年3回、前月までの4カ月分を支給。児童扶養手当改正法の施行日は8月1日のため、父子家庭への初回分は、8〜11月分が今年12月に支給されます。対象の家庭にはささやかなクリスマスプレゼントとなるでしょう。
 公明党は、児童扶養手当の見直しに関し、母子か父子かといった違いではなく、ひとり親家庭に所得に応じて支援していく普遍的な制度に改めるべきだと一貫して主張してきました。今回、こうした公明党の主張が反映され、父子家庭が対象に加わったことは、大きな前進と評価します。
公明党はDV被害や虐待なども対象とすることを主張
 しかし、今回の改正には、まだ改善すべき課題も多いことを指摘しておきます。
 公明党は4月1日、公明党独自の「児童扶養手当法改正案」を参院に提出したした。これには、父子家庭に加えDV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者などからの暴力)被害や虐待などが原因で別居し、事実上離婚状態にある場合も支給対象にしていました。
 さらに、母子家庭の母が亡くなり、その子どもが公的年金を受給している祖父母と暮らす場合、児童扶養手当の支給が停止されてしまてしまう現状に鑑み、これも支給の対象に加えていました。
 ひとり親世帯と同様の境遇にありながら、児童扶養手当が支給されない世帯にも同等の「光」を当てることが必要と考えたからです。
 参院本会議に先立つ参院厚生労働委員会は、こうした公明党の主張を受け、配偶者からの暴力などが原因で離婚状態の世帯について、「児童扶養手当が適切に支給されるよう検討する」といった附帯決議が議決されました。非常に深刻な問題を抱えたケースが多い実情を踏まえ、政府は、公明党の主張に沿った改善策を早急に検討すべきです。