民主マニフェスト問答集 「これでは言い訳集」大半が弁明、おわびも
産経新聞(2010/7/1)
 民主党が配布していることが30日分かった想定問答集「参院選マニフェストQ&A」。子ども手当の減額など衆院選マニフェストからの修正への“弁明”に大部分が費やされた。「おわび」を明言した個所もあり、マニフェスト修正への理解に躍起になっている姿が浮かび上がる。識者は「これでは言い訳集だ。反省してほしい」と批判している。
 「現時点では現金2万6000円の『子ども手当』支給にはこだわるべきではないと考えている。これは09マニフェストの大きな修正であり、国民に対して率直に説明し、おわびをしなければならない」
 想定問答集では、衆院選マニフェストで2万6千円を打ち出した子ども手当についての批判への回答例として、「おわび」の文言を明記した。
 修正への説明はあらゆる面でみられ、衆院選で打ち出したガソリン税などの暫定税率については、「ガソリン価格の状況、温暖化対策との関係、財政状況などを踏まえ、実質的に暫定税率の水準を維持することにした」と廃止見送りの理由を列挙。「マニフェストの修正であり、国民に対して丁寧に説明するとともに、理解を求める努力を行っていく」と修正を明言した。
 農家への戸別所得補償についても「23年度からの完全実施」をうたった衆院選に比べ、参院選は「段階的に他の品物に拡大」と後退。「この点も修正にあたる」と認めた。
 問題になった普天間基地移設問題についての回答は「沖縄の負担軽減に尽力する覚悟。沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求める」と抽象的な描写に終始。
 衆院選マニフェストで示した政策の工程表と財源表を参院選で示していない点は、「直近の重点政策について詳細に記載をし」「『実現できたこと』『まだ実現できていないこと』を客観的に記載したから」とした。
 想定問答集について、遠藤浩一拓殖大学大学院教授(政党論)は「マニフェストは財源と工程を示し、実現可能なものを提示する責任を伴う」とした上で、「実現できず大幅修正に至ったことへの反省もなく、『マニフェストは生き物』で済ますのは言語道断。言い訳集を作っている場合ではなく、マニフェストへの信頼を失ったことを真剣に反省してほしい」と話している。

 産経新聞や共産党の機関誌(しんぶん赤旗)が、民主党が国会議員にマニフェストへの「想定問答集」を配布したことを伝えています。これは、『参院選マニフェストQ&A(ポイント版)』と題され、A4サイズで67ページにも及ぶものです。
 例えば、「09年(総選挙)マニフェストと参院選マニフェストに載っている内容が違うが」との問いには、「09マニフェストは政権交代を主張する野党のマニフェストで、参院選マニフェストは政権を担当する与党のマニフェスト」と回答されています。
 また、「09マニフェストの目玉政策『子ども手当』2万6000円は断念、『暫定税率廃止』は記載されていない。マニフェスト違反ではないのか」との質問には、「マニフェストは生き物であり、環境や状況の変化に応じて柔軟に見直すことが重要」と答えられています。
 こうした想定問題集を見る限り、民主党にとってのマニフェストとは政権を奪取するための手段。国民を騙すための釣りに餌だったと言うことなのかと疑いたくなります。
想定問答集の主な項目
質問・疑問回答(いいわけ、弁解)
09マニフェストと参院選マニフェストが違う09マニフェストは政権交代を主張する野党のマニフェストで、参院選マニフェストは政権を担当する与党のマニフェス
09マニフェストの目玉政策『子ども手当』2万6000円は断念、『暫定税率廃止』は記載されていない。マニフェスト違反ではないのかマニフェストは生き物であり、環境や状況の変化に応じて柔軟に見直すことが重要
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