参考写真 7月14日、株式会社日立製作所は、日立創業100周年記念事業の一環として、茨城県の県北地域における医療体制を強化のため、日立市の日立総合病院に新たな病棟を建設することを決定し、プレスリリースしました。
 新たな病棟は、県北地域では初めてとなる救命救急センターの機能を有し、重症および複数の診療科領域にわたる救急患者を24時間体制で受け入ます。救急医療の中では最も高度な第三次救急医療への対応を図りこととしています。
 また、4階の産科病棟エリアには新たにMFICU(母体・胎児集中治療室)を設置します。日製病院では、医師不足で一時中止していた通常分娩の受付を、今年4月に再開しましたが、ハイリスクの出産を取り扱う「茨城県地域周産期母子医療センター(中核)」は休止されたままです。この施設によって、周産期医療センターの機能再開を図ります。
新病棟の建設予定地 日製日立総合病院は、日立製作所創業の地である日立市に、1938年に企業立病院としてスタートしました。現在、茨城県において、日立総合病院、多賀総合病院、ひたちなか総合病院(旧水戸総合病院)の合計3つの企業立総合病院の基幹病院です。1957年に茨城県における最初の総合病院として認可されるなど、全国的にも住民一人あたりの医師数が特に少ない茨城県における医療を先導してきました。現在、人口約20万人の日立市を含む県北地域約30万人の医療と健康管理を担う地域の中核病院として、2009年には、年間約29万人の外来患者、約13万人の入院患者、約4,800件の救急車搬送を受け入れています。
 茨城県の救急救命センターは、水戸市、土浦市、つくば市、境町、行方市など県南地域に偏在しており、県北地域でのより高度な救急医療や周産期医療が望まれていました。
 日立製作所の創立100周年記念のプレゼントは、日立市民にとって大いに歓迎されるものとなりました。
<日製日立総合病院の新病棟の特長>
(1)第三次救急医療に対応する救命救急センター機能の整備(茨城県県北地域で初)
 ・救急専門医、専従看護師の増員
 ・救急病棟(ICU:集中治療室16床)の新設
 ・MFICU(母体・胎児集中治療室6床)の新設
(2)一般車両と交錯することなく、市道から救急車が直接乗り入れる構造とし、救急外来患者受け入れ時のスピードと安全性の向上を図ります。
(3)隣接する既存病棟にある、手術室やNICU(新生児特定集中治療室)、GCU(回復治療室)とスムーズに往来できる動線を確保することで、より高度な救急医療・周産期医療の実現をめざします。
<新棟建設計画の概要
所在地 茨城県日立市城南町2−1−1
敷地面積 約2,000m2
延床面積 約7,000m2(予定)
建物構造 鉄筋コンクリート造(耐震構造)
着工 2011年7月(予定)
竣工 2012年10月(予定)
<新病棟の建物規模・地上6階建て>
6階:医師の24時間待機エリア
5階:医療機器の集中管理エリア
4階:MFICUを備えた産科病棟エリア
3階:救急病棟エリア
2階:救急車専用搬入路、救急外来エリア
1階:MRI、内視鏡などの検査エリア

参考:日立、茨城県・県北地域の医療体制強化で日立総合病院の新棟を建設