参考写真 来年(2011年)7月24日正午、現在放送されているアナログテレビ放送は終了し、地上波デジタル放送(地デジ)へ完全移行されます。
 地デジ化で、高画質、高音質そして双方向性を有する番組提供が可能になります。多彩な情報を常時入手できるデータ放送など、テレビの視聴環境は飛躍的に向上します。
 電波(周波数)のデジタル化で、過密状態にあるわが国の電波の効率化が進み、空いた周波数は携帯電話サービス、高度道路交通システム、災害時の移動通信システムなどへの活用が促進されます。
 地デジは既に世界42カ国・地域で導入されています。放送メディアのデジタル化は世界的な潮流となっています。
 反面、1年後の地デジ化を前に、懸案も浮かび上がっています。このままでは、生活必需品となったテレビが見られなくなる世帯が出てしまうからです。
 5月末に総務省が発表した調査結果では、チューナー内蔵テレビや外付けチューナーなど地デジ放送を受信するための対応を終えている世帯は全国平均で83.8%と半年前の調査に比べ15%程度増えました。しかし、都道府県単位で比べると、最も普及しているところと最も遅れているところとの地域差は22.9%ポイントもありました。
 ちなみに、もっとも普及率が高い県は富山県(88.8%)で、普及率が低いのは沖縄県(65.9%)です。茨城県は83.4%でした。
 現状では「1100万世帯が未対応の状況」(7月23日付け朝日新聞)とも言われています。普及が遅れる原因の一つが受信障害です。
 受信障害を抱える場所は山間部ばかりに限られません。高層ビルが林立する大都市圏のビル陰やマンション陰でも受信障害で悩むところが発生します。こうした地域では共同受信施設のデジタル化が必要ですが、重い費用負担がネックになり、特に南関東地域では半数近くが未対応のままです。さらにマンションやアパートなど集合住宅の中には、施設の改修が進まず地デジを視聴できないところもあります。
 低所得層対策も大きな課題です。年収200万円以上の世帯普及率は8割を超えますが、200万円未満では67.5%にとどまっています。
 円滑な地デジ化に向け、公明党は与党時代から難視聴地域で過度の費用負担が生じないよう支援策を提言。経済弱者の負担軽減策として簡易チューナー無償配布などを強く訴えてきました。引き続き支援体制拡充を働き掛ける方針です。
 地デジ化は国策である。政府は進ちょく状況をつぶさに掌握した上で、問題解決へキメ細かな方策を一層強力に講じなければなりません。
参考:地上波デジタルテレビ放送のお知らせ(総務省)
参考:デジサポ茨城