「行動する平和主義」に徹し、核兵器禁止条約の実現めざす
参考写真 終戦記念日にあたり、先の大戦で犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表し、今なお深い傷跡を残されているご遺族ならびに戦傷病者の皆さまに対して心からお見舞いを申し上げます。
 8月15日は、すべての戦争犠牲者の方々に祈りを捧げ、「不戦」「平和」を誓い合う日です。先の大戦は、幾百万人もの日本国民とそれを上回る多数のアジア・太平洋諸国民の生命を奪いました。戦後65年、戦争・被爆体験の風化が言われる中で、私たちは、尊い人間の生命を手段、道具として扱う戦争の残酷さ、愚劣さを次世代に語り継ぐ努力を更に強めなければなりません。
 広島、長崎への原爆投下から65年の今年、国際社会には核兵器廃絶に向けて新しい風が吹き始めています。
 5月にニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、初めて核兵器禁止条約に言及した最終文書が全会一致で採択されました。さらに8月6日の広島平和記念式典には、原爆を投下した米国の駐日大使をはじめ国連事務総長や核保有国である英仏の代表が初めて出席しました。昨年4月にオバマ米大統領がプラハで「核のない世界」に向けて行動すると演説して以来、世界の核廃絶への気運は着実に高まりを見せています。
 この時にあたり、唯一の被爆国である日本は、今こそ先頭に立って核廃絶に向けて強いリーダーシップを発揮していくべきであります。菅直人首相が、平和式典出席後の記者会見で「核抑止力は引き続き必要」と発言し、被爆者の感情を逆なでするものと非難されたことは、誠に遺憾であると言わざるを得ません。私たちは、「原爆の日」を迎えた広島市で、核兵器禁止条約の実現や2015年の「核廃絶サミット」開催などを柱とする「核廃絶へ向けて――公明党の5つの提案」を発表しました。公明党は、核兵器は「絶対悪」との思想に基づき、断固たる決意で核廃絶に取り組んでまいります。
 口で戦争反対を叫ぶだけでは平和は実現できません。大事なのは、何をなすか、どう行動するかであり、公明党は、「行動する平和主義」に徹すること、すなわち世界中の人びとがテロ、貧困、飢餓、紛争、感染症などの構造的暴力から解放される「人間の安全保障」確立への具体的な貢献こそ、日本の進むべき道であると考えます。また、平和創出のためには、人々の心の中に他者の存在、他者の痛みを感じ取る心を育んでいくことが重要であり、不信を信頼に変え、反目を理解に変える「対話」「文化交流」「青年交流」の拡大に力を注ぐべきであります。
 公明党は、結党以来、大衆福祉の実現とともに、地球民族主義に基づき「戦争のない世界」「核兵器のない世界」の実現を大目的に掲げています。
 65回目の終戦記念日にあたり、「平和の党・公明党」の使命と責任を肝に銘じ、世界の平和と人類の繁栄に貢献する日本の国づくりに全力を尽くすことを改めてお誓い申し上げます。 
2010年8月15日
公明党