参考写真 7月23日、EVファクトリー&マーケット100Zero(ハンドレッド・ゼロ)を運営する(株)百家堂(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:古谷文太氏)は、都内で記者会見を開き、ガソリンエンジン車を電気自動車(EV)に転換するサービスを開始しることを発表しました。
 7月28日に行われた公道試乗会には、公明党の元環境副大臣加藤修一参議院議員も会場を視察に訪れ、同社が開発したEV車K1.0に試乗しました。
 百家堂は、市販の軽自動車を約130万円でEVへの改造を請け負います。当初は月産15台を生産し、1年後には100台に引き上げていく計画です。
 具体的には、軽自動車のマニュアルトランスミッション(MT)車をベースに、エンジンやラジエター、燃料タンクなどを取り外して出力6キロワットのモーターを搭載します。12ボルトの鉛バッテリー8個を直列につなぎ、45キロメートルの連続走行を可能としました。試作車は時速70キロメートルを記録したとしています。地域内の集配業務や近距離の移動手段としての利用を見込んでいます。
 家庭用100ボルトのコンセントで充電でき、1キロ当たり1円の電力料金(夜間使用)で済むのも魅力。
 また、EVへの転換キットを用意し、改造作業と登録手続き、取り扱い講習をパッケージにして販売するとしています。近く、エアコンや回生ブレーキ、オートマチックトランスミッション(AT)車にも対応していく方針です。
(写真上:公明党の加藤修一参議院議員(手前)と古谷文太社長、写真下:改造EV社のモーター部分)
改造EV自動車を年間100万台生産、町工場の活性化の新たな視点
参考写真 改造EVビジネスへの参入を後押ししている東京大学総長アドバイザーの村沢義久氏は、「スモール・ハンドレッド構想」の実現に取り組んでいます。この構想は、部品メーカーなどのネットワークをつくり、技術開発を進めながら「1台100万円の改造EVを年間100台生産する1万拠点をつくる」というものです。
 村沢氏は、地域経済や自動車整備工場など町工場の活性化、雇用創出、資源のリユース(再使用)・リサイクル、新車EVの開発への刺激など改造EVビジネスが秘める幅広い可能性を強調。CO2などの温室効果ガスを2050年までに80%削減する政府の長期目標について「おそらくガソリン車を廃絶しなければ不可能。あと40年、新車EVとともに改造EVの普及が不可欠だ」と指摘しています。
 公明党は、参院選マニフェストでCO2削減と中小企業活性化の両面から「改造EV100万台プラン」を掲げました。これに対して、村沢氏は「公明党の大英断」と高く評価しています。