9月7日、茨城県議会代表質問で、井手よしひろ県議が行った“うつ対策”に関する橋本知事に対する質疑を掲載します。
うつ病対策の推進(井手よしひろ県議)
参考写真 国内でうつ病に悩む患者の数は104万人、県内でも少なくても2万4千人の患者がいるのではないかと推計されます。また、自分自身ではうつとの自覚がなくとも、その症状で悩んでいる方の数は、治療を受けている方の数倍もいると思われます。
 また、県内で昨年1年間の自殺者は727人。その主な原因としては、健康問題、その中でも、うつを中心とする精神疾患が関係していると言われています。
 ここに、行政を上げてうつ対策に取り組まなくてならない現状があります。
今年5月、精神医療4学会が初の提言をまとめました。その共同宣言では、うつ病が、がんに次いで重大な社会的損失をもたらす"国民病"として指摘しています。そして、『国家的課題として啓発に取り組むべきだ』と訴えています。茨城県もうつ対策を見直す必要があると考えます。
 公明党は、平成20年4月、党内に「うつ対策ワーキングチーム」を設置しました。(1)早期発見・早期治療の推進、(2)受診率の向上、(3)精神療法の拡充、(4)安心して治療に専念できる社会づくり、(5)患者の社会復帰の促進──の5つの柱からなる、20項目の総合的なうつ対策の提言を、同年7月に厚生労働大臣に提出しました。
 この提言の中で「認知行動療法」という精神療法の拡充強化を掲げました。沖縄県の総合精神保健福祉センターでは、うつ病デイケアプログラムの中で、この認知行動療法を実践し、画期的な成果をあげています。
 イギリスでは2008年からこうした心理療法を希望するすべてのうつ病と不安障がい患者に、国が治療を提供する「心理療法アクセス改善プログラム」を導入しました。また、3年間で約346億円を投じ、心理士3600人を養成することをめざしています。
 わが国では、2010年度の診療報酬改定で「認知行動療法」の評価が新設され、健康保険の適用となりました。まさに、公明党の主張が実現した結果です。しかし、実施できる医師の数が不足しているなど、この療法を茨城県で実際に受けることは容易ではありません。
 そこで、茨城県のうつ対策の現状と今後の方向性、さらに、認知行動療法の拡充についてご所見を伺います。
茨城県のうつ病対策(橋本昌県知事)
参考写真 うつ病は、早期発見と早期治療が回復の鍵であると言われておりますが、本人は病気という自覚がない場合が多く、家族や職場の同僚など周囲の方が早い段階で気づき、保健所での相談や医療機関の受診などに結びつけることが大切であると考えております。
 このため、県におきましては、一人でも多くの方にうつ病のサインに「気づき」、相談機関や医療機関に「つなぐ」ことの大切さを理解していただくよう、パンフレットなどによる普及啓発や、受診医療機関の情報提供を行っているほか、保健所や精神保健福祉センターにおいて相談を実施しているところでございます。
 さらに、うつ対策を進めていく上では、各種相談機関の連携が重要でありますことからモデル事業として、水戸市消費生活センターと協力し、多重債務者の中で、うつの兆候が見受けられた相談者打方を、保健所等の専門機関へ早期につなぐ取組みを始めたところであり、今後、このような関係機関の連携を一層推進し、ネットワーク化につなげてまいりたいと考えております。
 なお、議員ご指摘の沖縄県で効果があがっている認知行動療法は、本県においても、既に、いくつかの医療機関において、精神科デイケアの中で、集団的な治療法として取り入れられれて来ております。
 しかしながら、4月から保険適用となった医師による対面の認知行動療法につきましては、新しい制度であることや、30分以上診療を行うという要件があることなどから、実施する医療機関は、まだ3病院と少ない状況でございます。
 このために、県といたしましては、新たな制度等を広く周知しますとともに、国主催の研修会への参加を促し、専門家の養成に取り組んでまいりたいと考えております。