次の衆院選に出馬せず、政界引退を表明していた民主党の鳩山由紀夫前首相が、引退を事実上撤回する意向を明らかにしました。
 10月25日、公明党の山口那津男代表は、「首相の立場の人が自らの進退について言ったことを翻すのは国民の信頼を損なう」と批判しています。
 鳩山氏が首相経験者は政治的影響力を残すことは好ましくないとの考えを示していた点についても「前言を撤回して政治活動を続けることは、民主党に役立つどころか、かえって国民の不信を増加させる。その自覚が乏しいと言わざるを得ない」と厳しく指摘しました。
 そもそも鳩山氏は首相就任前の2009年7月、自民党の首相経験者を念頭に、首相経験者は政界に残るべきではないと厳しく糾弾。今年6月の首相辞任に際しても、記者団に「総理たる者、その影響力をその後、行使し過ぎてはいけない。従って、次の総選挙には出馬しない」と断言していました。
 ところが、鳩山氏は10月24日、「議員を続ける方向に気持ちが傾いている」「私が(首相を)辞めたときと状況が違うから、(議員を続ける方向に)前向きに変えなきゃいけないかなと思っている」などと発言。引退方針を事実上、撤回してしまいました。
 こうした“言葉の軽さ”について、マスコミは「みずからの出処進退にかかわる発言まで、かくもあっさり撤回するとは驚くほかない」(26日付「朝日」社説)と批判。しかも、鳩山氏の地元選挙区である北海道室蘭市の市民からも「発言があまりにもぶれるので信用できなくなった」「約束通り引退するべき」(同日付「室蘭民報」)などと厳しい声が上がっています。
 首相時代にも「普天間」や自らの「政治とカネ」の問題などで言行不一致ぶりが問題となった鳩山氏。今回の引退撤回への批判に当の鳩山氏は「国難といえる時に、自分だけ辞めて『はい、さようなら』でいいのか」と反論しているようだが、自身の軽薄な言動が、国民の政治不信を招いていることを強く自覚すべきです。