「政治主導」とは裏腹に、現場の公務員に押付け
11月10日、中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像を海上保安官が流出させたと供述している問題で、仙谷由人官房長官が、馬淵澄夫国土交通相らの責任について、「政治職と執行職のトップの責任のあり方は違う」と発言したことに、批判の声が上がっています。
仙谷氏の発言は、国土交通相(政治職)と、海上保安庁長官(執行職)とを比較し、「責任の重さが違うと強調することで、馬淵氏の辞任要求をはね返すのが狙い」(11月12日付「読売」)だったようだが、現場に責任を押し付けるようなやり方は、あまりにも姑息です。
そもそもこの「政治職」と「執行職」という言葉自体、仙谷長官が勝手に作り出した“造語”に過ぎません。仙谷長官は記者会見で、「執行職」を警察、検察庁、海上保安庁のほか、国税庁や自衛隊など「ある種の強制権限を持った執行機関」の所属者と定義づけ、「権限に応じて管理も自律的に行われなければならない」と持論を展開しています。
しかし、「政治職」「執行職」という言葉は法令上、全く規定されておらず、国会会議録検索システムで「政治職」「執行職」を検索しても、全くヒットしません。
無責任極まる仙谷語録とでも表現すべき言葉です。
11月10日、中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像を海上保安官が流出させたと供述している問題で、仙谷由人官房長官が、馬淵澄夫国土交通相らの責任について、「政治職と執行職のトップの責任のあり方は違う」と発言したことに、批判の声が上がっています。
仙谷氏の発言は、国土交通相(政治職)と、海上保安庁長官(執行職)とを比較し、「責任の重さが違うと強調することで、馬淵氏の辞任要求をはね返すのが狙い」(11月12日付「読売」)だったようだが、現場に責任を押し付けるようなやり方は、あまりにも姑息です。
そもそもこの「政治職」と「執行職」という言葉自体、仙谷長官が勝手に作り出した“造語”に過ぎません。仙谷長官は記者会見で、「執行職」を警察、検察庁、海上保安庁のほか、国税庁や自衛隊など「ある種の強制権限を持った執行機関」の所属者と定義づけ、「権限に応じて管理も自律的に行われなければならない」と持論を展開しています。
しかし、「政治職」「執行職」という言葉は法令上、全く規定されておらず、国会会議録検索システムで「政治職」「執行職」を検索しても、全くヒットしません。
無責任極まる仙谷語録とでも表現すべき言葉です。
海上保安庁では、事件や事故などの際、公開を前提にビデオ撮影し、その映像を幹部の間で共有する慣行があります。
その上、海保への指揮権を持つ国交相がビデオ映像の管理の厳格化を指示したのは、衝突事件発生から40日余り経過した10月18日。この時点でビデオ映像が海保内に広まっていた可能性があり、国交相の指示は遅きに失し、的確さも欠いていたと言わざるを得ません。
民主党は昨年夏の衆院選で「政治主導」を掲げ政権を獲得。2009年10月28日の衆院本会議でも、鳩山由紀夫首相(当時)が「政治主導とは政治家がしっかりと最終的な責任をとること」と明言していたはずです。
仙谷氏の発言は、掛け声倒れも甚だしく、「問題が起きると現場の『公務員の問題だ』と強調」(11月11日付「朝日」)する責任回避と見られても仕方がありません。
民主党は、今回の漁船衝突事件で中国人船長を「検察の判断」で釈放したとして、その“責任逃れ”の体質が批判されたばかりです。菅政権は、現場に責任を押し付けず、政治家の責任の所在を明確にすべきです。
その上、海保への指揮権を持つ国交相がビデオ映像の管理の厳格化を指示したのは、衝突事件発生から40日余り経過した10月18日。この時点でビデオ映像が海保内に広まっていた可能性があり、国交相の指示は遅きに失し、的確さも欠いていたと言わざるを得ません。
民主党は昨年夏の衆院選で「政治主導」を掲げ政権を獲得。2009年10月28日の衆院本会議でも、鳩山由紀夫首相(当時)が「政治主導とは政治家がしっかりと最終的な責任をとること」と明言していたはずです。
仙谷氏の発言は、掛け声倒れも甚だしく、「問題が起きると現場の『公務員の問題だ』と強調」(11月11日付「朝日」)する責任回避と見られても仕方がありません。
民主党は、今回の漁船衝突事件で中国人船長を「検察の判断」で釈放したとして、その“責任逃れ”の体質が批判されたばかりです。菅政権は、現場に責任を押し付けず、政治家の責任の所在を明確にすべきです。