11月17日、「日立道路検討会」は、市内の国道6号バイパスについて、新たなルート案を樫村千秋日立市長に提出しました。
 市内の激しい渋滞を解消するため建設が予定されている国道6号のバイパスは、現在、北半分の4.7キロが開通しています。しかし、残るおよそ6キロの区間については、騒音や景観の悪化など環境に与える影響が大きいとして、市と国、茨城県の担当者でつくる「日立道路検討会」がこれまでの計画を見直すとともに複数の建設ルート案について、検討を進めてきました。
 この案によると、現在の日立バイパス開通区間の旭町から南側は海上に高架橋を設けるなどして海岸線を南下し、国分町で国道245号に接続します。それに合わせて鮎川停車場線も計画を変更し、道路構造や交差点形状などを見直ことになります。
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 鮎川停車場線付近から南側の河原子町までの区間は、陸側を通る平面構造となります。陸上区間は日立電鉄線跡地を活用して現道の拡幅などを行います。 現在の日立バイパスの旭町から陸側へ接続する大宮雨降川線は現在の計画で整備を進めるとしています。
 今後は事業主体の国が年明けにも概略計画を決定し、その後、事業着手に向けて都市計画の変更などを進める予定です。
 この検討会は、平成19年10月から、市民参画(PI)方式で住民らの意向を聞きながら、日立バイパスのルート見直しを協議してきました。A案からE案まで5つの案を示し、移動性や安全・安心、環境、事業性など5項目10視点で比較した結果、C案が望ましいとしました。
 C案は「鮎川停車場線付近で国道245号に接続する」もの。従来のルートに比べて環境負荷が少なく、概算事業費も約150億円減額できるなど、総合的に判断して望ましい案と決定しました。
 今後、日立市では今年12月中旬ごろ計画案を日立都市計画道路再検討委員会に諮り、3路線の方向性を確認。それを受けて、国や県などは年明けにも概要計画を決定します。その後、県と市は、昭和59年に都市計画決定されている日立バイパスの都市計画変更の手続きに入る見通しです。今後計画が順調に進んでも、工事完成までには10年以上の期間が必要と思われます。
参考:日立道路だより<最終号>