11月13〜14日に横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での、日中首脳会談は菅直人の一国の首相としての資質欠如を、全世界に披露する場となってしまいました。
11月13日午後に、やっと開催にこぎ着けた日中首脳会議。14日の記者会見で菅首相は「胡錦涛中国国家主席に『尖閣諸島はわが国固有の領土であり、この地域に領土問題は存在しない』という基本姿勢を明確に伝えた」と話しました。また、「胡主席とは戦略的互恵関係を新たに推進していくことを確認した。基本的には(菅首相が)就任した6月まで(日中関係を)戻すことができたと考える」と評価しました。
しかし、朝日新聞は14日、「両国首脳会談は22分で終わったうえ、領土問題をめぐる意見の相違が大きく、関係改善の前途は見えない状態だ」と報道しました。
会談の成果以上に、多くの国民が落胆したのは、菅首相の会談に臨むその姿です。発言はほとんど原稿の棒読み、胡主席の顔を見ることさえ出来ない状態。その上、胡主席は上着のボタンをあえてはずして、リラックスをした風情で菅首相に相対するなど、格上感を演出されていました。
「菅首相が存在が、日本の国益を一番損なっている」とは、言い過ぎでしょうか?
隠れた国辱 胡主席、上着ボタン外して菅首相と会談
産経新聞(2010/11/20)
【高橋昌之のとっておき】
横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて、菅直人首相と胡錦涛・中国国家主席との日中首脳会談が13日、行われました。会談はわずか22分間でしたが、菅首相と胡主席の振るまいは、日本国民にとって「恥ずかしくてみていられない」ものでした。国際的にも「日本は中国に頭を下げた」と映ったことでしょう。
明らかに日本外交にとって大きなマイナスになりました。私はこれならやらなかった方がましだとさえ思います。日本のマスコミは熱しやすく冷めやすいところがあって、この国辱的な会談もすぐに忘れられてしまうかもしれません。しかし、この影響は今後も引きずることになりますから、決して忘れてはなりません。1週間前のことですが、あえて今回のテーマとしたいと思います。
■まるで上司と部下
まず、私が唖然(あぜん)としたのは、取材が許された会談冒頭での両首脳の振る舞いです。胡主席は会談の部屋に入ってきたときは、上着のボタンをとめていましたが、席に座る瞬間、ボタンを外しました。この行為に気づいた方はどれだけおられるでしょう。
両首脳ともにボタンを外して、あるいは上着を脱いでフレンドリーな会談をしましょうというなら分かりますが、一方だけがボタンを外すというのは極めて失礼な行為です。
これは何を意味しているのでしょうか。「日本側の話を聞いてやる」という態度にもみてとれますし、胡主席には「これは正式な会談ではない」ということをアピールするねらいがあったと思われます。この映像は動画サイトのユーチューブなどでごらんになれますので、確認してみてください。
一方、菅首相の態度は、さんざん報道されていますので、ご承知だと思いますが、メモを読み上げ、ほとんど胡主席の顔を見ることができませんでした。中国専門家らが「これは中国では部下が上司にとる態度と受け取られる」と解説していましたが、解説を待たずしてごらんになった国民の方々もそう思われたことでしょう。
<以下略>