参考写真 家電エコポイント制度の付与ポイントが明日(12月1日)から、ほぼ半減されます。テレビニュースでは、家電量販店で対象製品を求める人々でごった返す様子を繰り返し放映しています。
 こうした駆け込み需要により、地デジ対応の薄型テレビの出荷が急伸しています。電子情報技術産業協会のまとめによれば、今年1〜10月の出荷台数は前年同期比で約1.8倍の1735万台を記録。10月に限っても前年同月比2.4倍となる283万台が出荷され、過去最大となりました。
 また、12月1日は「デジタル放送の日」。2000年の衛星デジタル放送、03年の地上デジタル放送(地デジ)の開始に続き、06年には全都道府県で全ての放送事業者による地デジがスタートしたことから定められました。
 現在、来年7月24日の地デジ移行へ準備が加速しています。今年9月末時点の地デジ普及率は、3月末の前回調査よりも6.5ポイント上昇し、90.3%に達したことが11月24日発表の総務省の調査で明らかになりました。
 政府は9月時点の普及目標を91%としており、ほぼ順調に移行しています。
 地デジ普及へ残された課題は、ビル陰などによって生じる受信障害への対応となってきました。
 全国約6万8000施設のうち、共同アンテナ設置などで対応済みは70.2%。来年7月までの対応予定を合わせると91.7%に達するが、残る8.3%、約5700施設は対応が決まっていません。
 また、マンションなど集合住宅では91.1%が共聴施設設置などの対応を済ませたが、8.9%、約18.9万施設が未対応のままとなっています。
 未対応施設では、管理者と居住者間で設置費用の負担などの問題を抱えています。今後、より一層きめ細かな対応が求められ、政府は完全移行へ万全を期すべきです。
 こうした現状を見ると、家電エコポイント制度は個人消費を喚起し国内総生産(GDP)を押し上げるといった経済効果に加え、国策である地デジ普及にも威力を発揮している。まさに、一石二鳥の政策であったと評価できます。
 ところが、12月以降はポイントが縮小され、来年1月以降は対象がエネルギー効率の高い商品に絞り込まれる上に、リサイクル加算も廃止されます。家電エコポイント制度は来年3月末で全て打ち切られます。
 この政府の方針は、地デジ対策の面からも、また、今なお足踏み状態が続く景気の浮揚のためにも、水を差す行為になりかねません。
 家電エコポイント制度は、公明党が主張しているように地デジ移行が完了する来年7月まで延長すべきです。