身分不相応な生活、へそくりも枯渇
平成23年度の国の予算を家計に置き換えてみると
 2011年度一般会計当初予算案をサラリーマン家計のやり繰りに見立てると、景気低迷が長引く中、何かと物入りで、年収に見合わない生活を続けざるを得ない家族の姿が浮かび上がってきます。
 夫の年収(税収)は409万円。昨年よりは回復したが、最盛期には遠く及ばない。高値づかみした住宅のローン返済など借金(国債発行残高)は6860万円。年215万円の返済(国債費)は、支出を前年並みに抑えても、家計に重くのし掛かっています。
 老いた親は介護が必要となり、医療費(社会保障費)は膨らむ一方です。年収を上回る443万円の借金(新規国債発行)がないと924万円を支出する生活を維持することはできません。ここ数年、家計を支えてきた妻のへそくり(埋蔵金など税外収入)はほぼ底を突いてしまいました。
 なぜ、こんな借金生活に陥ったのか、子ども手当てや高速道路無料化、高校無料化など、身の丈の生活にはほど遠い贅沢三昧の生活を行ったことになるのは、火を見るより明らかです。また、普通はこんな状態では、お父さんのお小遣いを切り詰められるのですが、国会議員や国家公務員の給与を見直す議論は全く進んでいません。
 このままでは、家計は破綻してしまいます。

参考写真 民主党政権で2年目となる2011年度予算編成は、弱点の財源問題を克服できず、マニフェスト(政権公約)の実行が危ぶまれる状況が浮き彫りとなりました。特別会計の「埋蔵金」はほぼ枯渇し、行政刷新会議による無駄削減は思うように進んでいません。
財源論行き詰まり
 民主党の財源論は完全に行き詰まりました。当初は無駄削減や埋蔵金などにより、11年度に12兆6000億円を捻出すると豪語していた民主党政権。しかし、事業仕分けによる無駄削減は一般会計ベースで約3000億円と見事に不発。埋蔵金を含めた税外収入は約7兆2000億円と10年度比減少となりました。
子ども手当増額は迷走
 子ども手当は3歳未満に限り、1人当たりの支給額を月1万3000円から2万円に増額します。衆院選公約では11年度から中学生以下の全ての子どもに月額2万6000円を支給するはずだったが、財源不足で実現できませんでした。
 制度上は単年度措置とされ、恒久施策とはなりませんでした。12年度以降の財源確保は、その目処が全く立っていません。
減税公約が増税に
 衆院選公約で「2兆5000億円の減税実施」をうたったガソリン税などの暫定税率廃止は、この11年度も見送られました。
 子ども手当の財源として、所得税や住民税の控除が縮減され、結果的に増税となる世帯が数多く出ています。一方、地球温暖化対策税(環境税)は来年10月から段階的導入が決定。完全実施される15年度にガソリンや灯油の値上がりなどで、1世帯当たり年間1000円超の負担増となる見通しです。減税が一転、増税が先行する完全な公約破りました。
山口那津男代表の見解

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  • 税収を上回る新規国債発行が昨年に続いて行われ、極めて財政的に放漫な感を免れない。こうした異常な予算編成に対して、極めて厳しい批判的な検討を加えないといけない。また、予算編成や税制改正を検討するさなか、民主党内の争いに(労力を)費やしていると国民に映ってしまう点も、リーダーシップがない姿がさらけ出されたと言わざるを得ない。
  • 内容的には、明確な理念が感じられない。財政健全化へのきちんとした見通しもなく、国債の増発や“埋蔵金あさり”という点が非常に厳しい。また、デフレ脱却や景気回復に向け、現下の経済情勢を見据えた上で経済成長をはかる、という明確な理念に基づく対応策が中途半端な状況に陥っている。
  • さらに、以前から指摘していることだが、マニフェスト(政権公約)に固執する一面もありながら、その趣旨が貫徹されず、修正を余儀なくされている。方向性がいまだに迷走の域を出ない。このような点を再度精査した上で、来年の通常国会では国民生活を守る観点から厳しい論戦を挑んでいく決意だ。
  • (今のままでは予算案に賛成できないということか、との質問に)そういうことになろうかと思う。まだ今後の論戦にもよることだし、実際の予算書で個々にどう説明されていくのかも見極めなければならない。基本的に、われわれは野党だから、政権の姿勢を表す予算には厳しく対峙していく姿勢で臨んでいきたい。賛否については、正式な提出を待ち、論戦を通じて検討を加えていきたい。(関連法案の対応も)どういう法案が出てくるかを見極めなければならない。
  • 国会論戦は、単に予算の具体的な内容だけではない。「政治とカネ」の問題や、外交・安全保障の姿勢など、いろいろなものが問われてくる。今、この予算編成自体が(民主党の)政権担当能力に疑問符が付いている中で進められている点も、厳しい論戦を通じて結論を出したい。われわれは「闘う野党」として挑んでいく。

石井啓一政調会長の談話

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  • 本日決定した11年度政府予算案は、2年続けて、新規国債(いわゆる国の借金)の発行が税収を上回る異常な予算となった。
    予算編成においては、“国民不在”“理念不在”、そして“リーダーシップ不在”の中で、昨年同様「マニフェストありき」で迷走を重ね、国民生活の安心・安全のための予算には程遠いものと言わざるを得ない。特に、与党として最重要の仕事である予算編成・税制改正作業そっちのけで、相変わらず茶番ともいえる党内政局に明け暮れている民主党政権の姿は、政権担当能力そのものに問題があることを象徴するものである。
  • 本予算案では、成長戦略の実行に向けた予算の重点配分が中途半端であるなど、デフレ脱却や景気回復の展望は、まったく見えてこない。
    特に、いわゆる「特別枠」は2.1兆円となっているが、「思いやり予算」など成長戦略とは無関係な予算も含まれるなど“ごまかし”と“架空計上”がなされている。また、公共事業は今年度の▲18.3%に続き、来年度も実質▲5.1%の削減としており、特に地方経済への影響を強く懸念する。いかに現場の声が届いていないかの証左である。
  • 本予算案は、マニフェストに固執するあまり、安易な国債増発や埋蔵金、家計増税に頼るのみで、結果として、財政健全化に向けた道筋をより不透明にしてしまった。
    表面上は中期財政フレームの政策的経費71兆円、新規国債44兆円等はクリアしているが、例えば歳入では当該年度の外為特会の剰余金見込み額を繰り入れる(いわゆる“先食い”)など一時的な財源である税外収入に頼っているのが実態だ。まさに“その場しのぎ”の“取り繕い”予算である。このような手法は限界に来ており、将来に対する国民の不安を増幅させるだけである。
  • 本予算案によって、“マニフェストの破綻”がさらに明白になった。特に2年目に達成・進捗すべき「子ども手当」「高速道路の無料化」「暫定税率廃止」などは、恒久的な財源手当も不明確なままで、到底、期限内の達成は不可能である。
    民主党は、速やかにマニフェスト破綻を認め、撤回の上、国民に謝罪すべきである。
  • 公明党は、今後、11年度予算案・税制改正案の中身を十分に精査し、次期通常国会では、国民の暮らしを守る観点から、その問題点を明らかにしつつ、厳しく対峙してまいりたい。