文教治安委員会での質疑(1月20日) 1月20日開かれた県議会文教治安委員会で、井手よしひろ県議は、2019年国体誘致の考え方について、鈴木欣一教育長に質問しました。
 今年元旦の読売新聞地方版には、「2019年国体誘致へ準備室 県方針 45年ぶり開催目指す」との記事が掲載されました。
2019年国体誘致へ準備室 県方針 45年ぶり開催目指す
読売新聞(201/1/1)
 県は来年度、2019年の第74回国民体育大会の誘致を目指し、「国体準備室(仮称)」を設置する方針を固めた。19年の開催地は関東地区が有力で、同地区ではほかに誘致を目指している県はない。県では1974年大会以来、45年ぶりとなる国体開催への態勢作りを急ピッチで進める。
 関係者によると、19年国体は笠松運動公園陸上競技場(那珂市)を主会場に、9月下旬から10月上旬にかけて開催する案が有力。18年は福井県、20年は鹿児島県が内々定しているが、19年についてはメドが立っていなかった。(以下略)

 今回の委員会では、この読売新聞の記事について、その真偽を確認。鈴木教育長は、国体開催については具体的に検討していることは事実であるが、「国体準備室を設置する方針を固めた」とう記事については、そのような事実はないと答弁しました。
 そもそも国体は、各都道府県の持ち回りで毎年開催されています。通常、開催表明は「準備のため10~12年前が多い」とされており、2019年開催を目指すとすれば、開催表明時期はすでに2~3年遅れていると言わざるを得ません。
 県の開催表明が遅れている理由は、開催費用が膨大になることがあげられます。
 新聞報道などによれば、2004年の埼玉国体の開催費用は約50億円。05年岡山は47億円、06年兵庫は66億円、07年秋田は44億円、08年大分は52億円。近年では、おおむね50億円に達する開催費が必要になります。
 さらに、協議を開催する施設の整備や改修にかかわる費用も無視できません。
 県営の大規模運動施設は、県内に3カ所あります。笠松運動公園、堀原運動公園、東町運動公園の3カ所とも前回の国体(1974年)を目途に建設されたものであり、いずれも築後40年以上が経過しています。
 国体を開催するためには、いずれも大規模な改修や立て替えが必要と思われ、こうした費用をどのようにして捻出するかが、大きな課題となっています。
 国体の主催は、開催自治体、文部科学省、日本体育協会の三者でしが、その負担は「95%が開催自治体」といわれており、これに施設整備、改修費や選手の強化費が加わると、100億円を超える見込みです。
 一方、経費がかかりすぎるとの都道府県の声を受けて、日体協も国体改革の必要性を認識し、2003年には改革案を公表しています。(1)夏季・秋季大会の一本化、(2)参加人数や競技数の削減、(3)競技会開始式の廃止、(4)施設の弾力的運用、などの方針を示しています。(参考「新しい国民体育大会を求めて」国体改革2003
 2巡目国体の開催は、橋本知事の5選目のマニフェストにも掲載されており、2009年10月の県議会では、以下のように答弁しています。 
 本県が、昭和49年に国体を開催してから既に35年が経過しております。
 2巡目国体の開催につきましては、平成30年開催の福井県までが正式表明しており、平成31年は関東ブロックの順番となっております。
 関東ブロック内の2巡目国体については、茨城、栃木、群馬、山梨の4県が開催が決まっていない状況にありますが、この4県の中では本県が一番早く1巡目国体を開催したところであります。
 国体の開催は、県民のスポーツに対する関心と意欲を喚起しますとともに、それぞれの地域における取り組みが地域の連帯感や郷土愛をはぐくみ、活力ある地域づくり、ひいては人が輝くいばらきづくりにもつながっていくものと考えております。
 最近の国体運営を見ますと、参加人数の削減、既存体育施設の有効活用、競技別式典の縮小など、簡素化が進められているところであります。しかしながら、国体の開催に当たっては極めて多額の経費を要しますことから、先催県の事例も参考にしながら、既存の県立施設や市町村の体育施設等の利用の可否や、大会運営経費の削減がどこまでできるかなどについて現在検討を行っているところでございますので、その結果を見極めた上で、現下の厳しい財政状況も踏まえながら決定してまいりたいと考えております。

 国体開催を茨城県がパスすることは、事実上出来ないでしょう。各都道府県も輪番制を前提に準備を進めています。だからこそ、選手強化を含め準備のスタートは、早いほど良いのに決まっています。
 50年に一度の国内スポーツの祭典・国民体育大会を茨城で開催する。これを、県民に熱く歓迎してもらえるよう、県民世論の喚起がまず必要です。
 そして、開催経費を抑え、最大の効果を上げる「茨城方式」を生み出せるかは、橋本知事の手腕にかかっています。