1月20日付けの地元紙・茨城新聞の一面には、19日の会派代表議案質疑で、公明党の田村けい子県議が行った子宮頸がん予防ワクチンなどの公費助成に関する質問の内容が掲載されました。このブログでは、田村県議の質問の全文を掲載します。

1.子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業について

参考写真 公明党の田村けい子でございます。通告に従いまして、提案されている議案に関する質疑を行います。
 はじめに子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業について伺います。この事業は、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの3種のワクチンについて、接種費用の助成を行う自治体に対し国が助成費用の半額を補助するものです。
 女性や子どもの命と健康を守りたいとの思いで、これまで、ワクチン助成の実現に全力をあげてきた私たち公明党にとって、大きな前進ととらえております。
 特に、年間15000人が発症し、約3500人が亡くなる女性特有のがん、子宮頸がんは、20代から30代の若い女性に増えており、少子化対策からも子宮頸がんの征圧は大きな課題と認識しています。子宮頸がんの主な原因はHPV感染によると判明しており、予防健診とワクチン接種でほぼ100%予防できる唯一のガンであることを考えたとき、生命と健康を守る上でも、また、医療費の抑制の観点からも大きな意義があると考えます。
 今回の制度は、ワクチン接種費用の1割は自己負担とされ、子宮頸がん予防ワクチンが1回当たり約1590円、ヒブワクチンが約880円、肺炎球菌ワクチンが約1120円となっています。子宮頸がんが3回、ヒブと肺炎球菌ワクチンは4回接種が必要であり、トータルの自己負担は少ないとはいえない状態です。
 子宮頸がん予防ワクチンについては、県内において、全額公費負担を予定している市町村は20市町村、一部自己負担を予定しているのが20市町村、未定が4市町村となっております。
参考写真 秋田県では、住民負担の軽減を図る目的で、国が個人負担を想定している1割を県と市町村で持ち合う県単独補助制度を、また、山形県では国1/2、県1/4、市町村1/4の負担割合となる県単補助制度を設けるなど、県の補助が行われています。
 また、高校生の保護者の方からは、接種対象が高校1年生までとされたことから、対象拡大を望むお声もたくさんいただいており、山梨県、高知県では、国の補助制度の対象とならない高校2年生を対象とする県単補助を実施する予定と伺っています。
市町村からも県単補助を求める声もあがっており、自己負担1割部分の補助、高校2年生を接種対象にするなど、県単独の補助制度が望まれるところですが、知事の御所見を伺います。
 ワクチン接種の対象者には、一人ももれなく接種を受けていただくことが望まれます。関係者全員に情報が行き届くよう、広報活動に力を入れるべきと考えますが、この事業の周知徹底をどのようにしていくのか、あわせてお伺いいたします。
次に女性特有のガン対策の推進という観点から質問をさせていただきます。
 公明党は、乳がん・子宮頸がん検診無料クーポンを実現するなど、女性特有のガン対策を強力に推進して参りました。
 この結果、わが県において、クーポン券対象年齢の女性のがん検診の受診率は、事業のスタートした平成21年度は、平成20年度と比較すると、乳がんで1.8倍、子宮頸がんでは4.0倍となり、大きな成果を上げることができました。
 特に、子宮頸がん検診のクーポン券対象者のうち特徴的なのは、これまで、受診率が極端に低かった若い女性の受診数が大幅に向上したことです。
 平成20年度、受診数がわずか53名だった20歳では21年度、1097名と20.7倍、25歳では13.9倍と飛躍的に向上しています。
 しかしながら、クーポンの利用率は県平均で、乳がん24.7%、子宮頸がん19.9%とまだまだ低く、検診受診率50%の目標には遠く及ばない状態です。
 子宮頸がんの予防にはワクチン接種と予防検診は車の両輪。ワクチン接種により、検診受診率が後退するような事態は絶対に避けなければなりません。
 ワクチン接種の際、対象者・およびその保護者に対する健康教育を強化し、正しい情報を提供すべきと考えます。
また、このたびの子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の問題点は、期限が平成23年度末までとなっており、その後の見通しがつかないことです。
 厚労省は厚生化学審議会の予防接種部会において、3ワクチンの定期接種化に向けての議論を進めていると伺っています。国に対して、3ワクチンの定期接種化にむけて、県としても働きかけを強化すべきと考えます。
また、女性の健康支援策をさらに充実させ、特に女性特有のガン対策を一層推進すべきと考えますが、知事のご所見を伺います。

2.児童福祉施設の改修について

参考写真 次に、児童福祉施設等改修事業について保健福祉部長に伺います。
 今回、改修が予定されている一時保護所は児童相談所に付設された施設で、家出児や保護者の病気等により監護に欠ける児童のための緊急保護や児童の処遇方針を定めるための行動観察、情緒障害児などを家庭から離して心理療法などの支援を行う施設です。
 平成21年度の保護人数は245人で、このうち虐待が原因となっているのが88人と最も多くなっています
 これまで私は、児童虐待対策に真剣に取り組み、施設の視察等を重ねてまいりました、昨年9月の定例会では、一時保護所の整備について提案をさせていただいたところでございます。今回、提案が実り、地域活性化交付金を活用し、一時保護所が中央児童相談所とともに整備されることは、この上ない喜びです。
 今回の質疑に先立ち、公明党議員会は1月12日、再度、一時保護所を訪ね、実態を調査すると共に、設備等の充実について意見交換しました。
 築後50年が経過し、耐震検査も行われていない老朽化した施設。隣接した立体駐車場から施設内が丸見え状態でプライバシーの問題もあります。
 思春期の子どもたちも数多く保護されているところから、異性問題がおきないよう職員の方々のご苦労はただでさえ大きいのに、浴室は1箇所しかなく、廊下のシャッターを下ろして男女の居室間の移動を防止するなど、さまざまな問題が指摘されています。
 一時保護所の改修に当たってはプライバシー保護、性差に配慮した設計にしていただくよう要望いたします。
 あわせて改修されることとなっております中央児童相談所の環境改善についてお伺いします。
 全国の児童虐待相談件数は年々増加し、平成21年度は、44210件となっています。わが県においては、平成21年度の児童相談所の相談件数4848件中、虐待相談は718件、相談の14.8%を占めています。児童虐待対策を進める上で大切なポイントとして早期発見があげられますが、なかでも、発達障害等による「育てにくさ」、親の育児不安などのハイリスク要因からのアプローチが有効と考えます。
 発達障害の児童生徒数にしめる割合は6.3%との調査結果がありますが、教育や医療の現場で発達障害が増加しているとの実感があります。
 児童虐待のリスクとも指摘されており、発達障害児に対する相談体制の強化は喫緊の課題です。
 このような状況をふまえ、児童相談所の相談室を拡充し、発達障害専用の相談室を設置するなど、環境改善が必要と思われますが、保健福祉部長のご所見を伺います。以上で質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。