
経済産業省などの推計によると、食品や介護用品など日常品の買い物が自由にできない、お年寄りなど「買い物弱者」は、全国に600万人程度いるとされ、お年寄りが多い過疎地や、高度成長期に建てられた大規模団地で、特に顕著になっています。
こうしたお年寄りの買い物支援を行おうとする試みは、様々な方向から模索されています。ボランティアが各家庭を回ったり、小売店がご用聞きサービスを行うケースもあります。茨城県内では、城里町が宅配大手ヤマト運輸と連携して、電話による配送サービスを試験的に立ち上げています。
また、IT技術を応用した取り組みも見られ、先日、現地調査した北海道白老町では、お年寄り向け携帯電話“らくらくフォン”を活用した事業が行われています。
今回の視察した試みは、ケービルテレビを利用して、普段使い慣れたリモコンで買い物ができるシステムです。特別な機器を整備する必要が無く、テレビというパソコンよりも敷居が低い家電品であるために、お年寄りが気軽に利用できる特徴があります。
今回の実験を運営している、岐阜県などでつくる「高齢者等『買物弱者』支援事業推進協議会」。ソフトウェア開発やIT技術者の育成を手がけるNPO法人「ドットNET分散開発ソフトピア・センター」が、総務省から委託を受けて、システムを開発しました。

この日、井手県議はNPOドットNET分散開発ソフトピア・センターの戸田孝一郎副理事長、樋口慶一事務局長、財団法人ソフトピア・ジャパン今瀬義幸副理事長、岐阜県総合企画部鈴木正司次長から説明を伺いました。
樋口事務局長は「このシステムは、簡単に操作できるので汎用性が高い。新しいビジネスモデルを提案したい。是非、全国にも展開したい」と語りました。また、「利用者の利便性を高めるために、リモコンのdボタンを分かりやすく大きくすることや商品の選択画面を一覧表形式にするのか、個別の画面にするのかなど、様々な検討を行う必要がある」と、課題についても指摘しました。
井手県議は「日立のケーブルテレビは、まだコミュニティチャンネルにデータ放送が実装されていないが、市民サービスを向上させるためには、こうした双方向サービスの導入を早期に行うよう提案したい。その際は、是非、日立でも実証実験を行わせてほしい」と要望しました。