参考写真 3月23日、茨城県は東海村で、23日に採取した一般家庭の水道水(蛇口)から1キログラム当たり188.7ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを明らかにしました。また、常陸太田市では、水府地区北部簡易水道で248ベクレルをの放射性ヨウ素を検出しました。
 この結果は、食品衛生法で定めた1歳未満の乳児の暫定基準値である100ベクレルを超えているため、乳児による水道水の摂取を控えるよう、行政では呼びかけています。なお、この数値は、長期にわたり摂取した場合の健康影響を考慮して設定されたものであり、代替となる飲用水が確保できない場合には、水道水を飲んでも差し支えありません。
 23日この問題について、井手よしひろ県議ら公明党県議団は、県に対して県内全市町村の浄水場での放射性物資血の検査を要請しました。また、生活物資の不足が続く中、乳児がいる家庭にペットボトルなどの緊急配布を要望しました。
 これに対して、橋本知事は23日夜の会見で、全市町村から水道水の検体を採取すること。さらに、迅速に分析を行い、遅くても明日中にその結果を公表できるよう準備をすることを発表しました。
 放射性ヨウ素は、体内の取り込まれると甲状腺に集まりやすい性質があります。成長が盛んで甲状腺の発達が進む時期に、放射性ヨウ素を大量に取り込むと、がんのリスクが高まると考えられています。
 原子力安全委員会は放射性ヨウ素が300ベクレルを超える飲料水は飲用を控えるよう定めていますが、幼児に対しては、食品衛生法に基づく暫定規制値100ベクレルを超える牛乳などを乳児用の粉ミルクや飲用に使わないとしています。
 これを基に国は福島第1原発の事故後、乳児に100ベクレル超の水道水を摂取させないよう求めています。
 一方、胎児には放射性物質の規制値が設定されておらず、妊婦はできれば摂取しな方が良いとされています。「ペットボトルを入手するために多大な労力を掛けたり、ストレスを感じる方が、母体に対する悪影響になる」との産科専門家の意見もあります。
 新聞報道によると、放射線生物学の専門家である丹羽太貫京都大名誉教授は、「そもそも日本の基準が厳しすぎる。たとえ飲んだとしてもナーバスになる必要はない」と冷静な対応を求めています。
(写真:日立市の南部地域の水道水をまかなう森山浄水場)
全市町村に水道水検査指示へ
NHKニュース(2011/3/24 7:45)
 茨城県の橋本知事は23日、会見を開き、新たに東海村の水道水から1歳未満の乳児の摂取制限の指標を上回る量の放射性物質が検出されたことを明らかにするとともに県内のすべての市町村に対し水道水の検査を行うよう指示する考えを示しました。
 これは茨城県の橋本昌知事が23日夜、会見を開き明らかにしたものです。
 それによりますと県が東海村の一般家庭の水道水に放射性物質が含まれていないか調べたところ1リットルあたり188.7ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたということです。
 この値は、大人の摂取制限の指標となる水1リットルあたり300ベクレル以内に収まっていますが、1歳未満の乳児の摂取制限の指標となる1リットルあたり100ベクレルを上回っています。
 このため東海村は乳児に限って水道水の摂取を控えるよう呼びかけるとともに、24日午前9時から市役所でペットボトルの水を配付することにしています。
 23日夜の会見で橋本知事は水道を管理する県内全ての市町村に対して放射性物質の検査を行うよう24日にも、通達を出す考えを示しました。
 茨城県内では常陸太田市の水府地区北部浄水場の水から市の検査で放射性ヨウ素131が1リットルあたり245ベクレル検出されています。