4月3日、井手よしひろ県議は桜川市真壁地区を訪れ、東日本大震災による蔵のまち・真壁の被災状況を調査しました。
 江戸時代から戦前にかけての住宅や蔵などが残り、雛人形を各家庭が飾ることによって、雛祭りが全国的に有名となった真壁町。104棟ある国の登録有形文化財の大半が震災の被害に遭いました。真壁町の中心分は、2010年、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたばかりで、3日は日曜日にのもかかわらず、ほとんど行き交う人もなく、街全体が静まりかえっていました。
 各住宅には、建物の被災状況を示す、赤色や黄色の応急危険判定票が張り出されています。登録有形文化財の9割以上で、屋根瓦や壁の落下、亀裂など何らかの被害を受けているといわれています。応急措置のためのブルーシートが、痛々しく街を包んでいました。
 真壁の伝統建造物の象徴的な存在であった“潮田家住宅”は屋根の一部が破損し、土蔵の瓦が落下し、壁のしっくいも落ちています。見世蔵で有名な“塚本茶舗”も屋根や瓦が破損していました。清酒「公明」で、その名が全国に知れ渡っている村井酒造も、酒蔵の壮大な屋根瓦が大破して、無残な姿をさらしていました。
 専門家の話によると、伝統的な建物は屋根を土で瓦を葺く構造のために地震に弱く、骨組みはしっかりとしており倒壊などの深刻な危険性は低いと言います。しかし、元の蔵のまちの印象の戻すためには、3年以上の年月と、莫大な費用が必要といわれています。土台部分がしっかりとしているだけに、現行の公的支援の枠組みでは、ほとんど行政の支援は受けられないと推測されます。再建には、桜川市や茨城県などの公的支援が、どうしても必要であると実感しました。