参考写真 3月29日、環境省は東日本大震災により大量に発生したがれきなど災害廃棄物を地方自治体が処理する際の費用について、全額国庫負担とする特例措置を発表しました。
 阪神・淡路大震災での国庫負担は97.5%でしたが、今回の被害は阪神を上回る可能性が高いため、国庫補助率引き上げと地方交付税措置の拡充で財政支援を手厚くすることにしました。
 公明党は、がれき処理などで法制度の弾力的運用を政府に要望してきました。
 市町村が行う災害廃棄物処理に対する通常の国の補助率は50%。東日本大震災では、税収が少ない市町村ほど補助率が高くなる特例を導入し、最高で90%近くに引き上げます。残りの市町村負担分も災害廃棄物の処理に充てる地方債を発行できるようにするほか、元利償還金の100%を交付税で手当てすることとし、最終的に市町村負担がゼロになるようにします。
 環境省や兵庫県などによると、阪神大震災のがれき処理量は約1500万トンで、処理費は約3200億円に上りました。最終処分の完了まで3年以上かかりました。今回は阪神大震災を上回る見込みで、国は市町村の負担軽減のため、処理費のほぼ全額を補助する方針を決めました。
 がれきは、仮置き場に集めて分別し、リサイクルできない物は焼却するか埋設処分する仕組みです。
 焼却や埋設作業も難航が予想されています。がれきの量が膨大で、県内外の広範囲の自治体に受け入れを要請することになりそうです。2007年の新潟県中越沖地震でも、柏崎市は県の枠を超えて、がれきを処分する場所を確保するのに大変苦労しました。
■地震のがれき撤去量と費用
 がれきの量撤去費用
阪神大震災約1500万トン約3246億円
新潟県中越地震約50万トン約111億円
新潟県中越沖地震約42万トン約76億円